「涙が止まらなかった」子宮頸がんで逝去、医師で4人の母の彼女がブログに遺した言葉 娘を持つすべての女性に伝えたい「大切なこと」
■9月中に接種しないと間に合わない 子宮頸がんの原因であるHPVへの感染を防ぐことができるHPVワクチンが日本で定期接種になったのは、2013年4月。ところが、不正確な報道などにより、2013年6月から2022年3月まで積極的勧奨が差し控えられ、多くの女性たちがHPVワクチンを接種する機会を失った。 そのため、厚生労働省は2025年3月まで、無償での「キャッチアップ接種」を行っている。 対象者は、1997年度~2007年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)で、まだHPVワクチンを接種していない女性。HPVワクチンは間隔を空けて3回の接種が必要なため、9月中に1回目を接種しないと、今年度中に完了できない計算になる。
また、通常の定期接種対象者である高校1年生の女性も、期限は今年度中なので、まだ接種していない場合は9月中に1回目を接種する必要がある。 キャッチアップの期間、または定期接種の期間を過ぎると、HPVワクチンの接種は自費となり、医療機関によって違うが10万円前後がかかるので注意が必要だ。 HPVワクチン接種率の高い他国では、子宮頸がんによる死をなくせる日が近づいているが、残念ながら日本の接種率はいまだ低いまま。宋先生はこう話す。
「子宮頸がん検診は早期発見のためには大切ですが、残念ながらがんのタイプによっては早期に発見できない場合もありますし、がんそのものを予防することはできません。予防できるのはHPVワクチンだけですから、ぜひ接種を検討していただけたらと思います」 ■大切な娘の幸せな未来のために 自身が接種対象年齢のときは、まだHPVワクチンの定期接種がなかった居原田さん。 前出のブログには「女の子を持つ親が、判断して娘のために接種させなければなりません。知るきっかけになり、私のような思い、私のがん仲間たちのような思いをする人が、少しでも減りますように。娘がその時期になれば、必ず受けさせようと思っています。大切な娘の幸せな未来のために。」と綴られている。
大西 まお :編集者・ライター