【第33回埼玉政財界人チャリティ歌謡祭】突然の訃報に「本当につらい」 常連出場者らが明かすバンマス・岡宏さんの“温かくて男前”な思い出
■ワインを贈っても連絡なく…「まだ信じられない」 全回出場の清水園・清水志摩子社長は、10月のディナーショーに行けなかったお詫びにワインを贈ったが、いつもなら届いてすぐに「清水さん! そんな気を使わないで!」と連絡が来るところ、音沙汰がなかったことから、「忙しいんだろうなくらいに思ってたんです」という。それだけに、突然の訃報は「ちょっとまだ信じられない気持ちです」とショックを隠せない。 17回目の出場となるケアハウス和みの里の山中和子理事長は、岡さんに「俺んとこに練習に来い」と声をかけられたことがあるのだそう。実際に行くことはできなかったが、コーラスをやっている姉の指導で自主練習すると、「声の出し方が変わったな」と気づいてくれたといい、山中理事長は「本当に優しいお父さんのような存在でした」と述懐した。
「いつも必ず声をかけてもらって、去年も“いやあ、うまくなったね”と言われたばかりなんです」と話すのは、18回出場の馬車道・木村徳治名誉会長。今回のステージも、「岡さんの顔を思い浮かべて、後ろで指揮棒を振ってくれてるんだろうなという気持ちで歌えました」と、背中で存在を感じていた。 大野元裕埼玉県知事は「ついこの前までお元気だったと聞いてますし、急にお亡くなりになったというのは痛切の思いであります」と追悼。いつも本番に向けてデモテープを送ってくれていたそうで、「大変優しい方でした」と振り返りながら、今回の演奏も「岡宏&クリアトーンズ・オーケストラ」の名前が残ったことに「とてもありがたいと思います」と感謝した。
堀尾正明「柔軟剤みたいな感じ」
2014年から司会を務める堀尾正明は、岡さんの人柄を「柔軟剤みたいな感じ」と表現。「歌が走ったりトチったりするのに演奏のペースを合わせてくれる絶妙なうまさがあったんですよね」とその心を語る。 控室で話をする機会もあったそうで、「音楽の話もするけど、芸能ニュースの話とか、いろいろゴシップが大好きな人でものすごく詳しくて。“堀尾くん、あれはどうなってんのかな?”って取材されちゃったりして、すごくフランクな方でしたね」と目を細めた。 『NHKのど自慢』も生バンドからカラオケになっただけに、「岡宏&クリアトーンズ・オーケストラ」の演奏は一層貴重なものに。「出演者の皆さんもうれしいですよね」といい、今後も参加し続けてくれることを願った。 堀尾は今回の収録冒頭、岡さんの訃報に触れ、「出演者に合わせた優しい演奏で見事なタクトさばきで盛り上げてくださったんですが、亡くなる直前までこの歌謡祭のことを心配されていたそうです。今日いらっしゃらないのが信じられない感じがします。指揮者として作曲家として歌手として、60年以上音楽界を支えられた、本当に尊敬すべき音楽家でありました。私もいろんな話をさせていただきました。謹んでお悔やみを申し上げたいと思います」と追悼。 そして、「これからも岡さんの名前とともに演奏を続けてまいります。それではご紹介しましょう! 岡宏&クリアトーンズ・オーケストラのみなさんです!」とオープニングを盛り上げた。