米フィリピンがGSOMIA締結 台湾や南シナ海で強まる中国包囲網
フィリピンを訪問中のオースティン米国防長官とテオドロ比国防相が18日、軍事情報の共有を円滑にするための軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に署名した。台湾や南シナ海をめぐり、米国やフィリピンとの緊張が高まっている中国を強く牽制(けんせい)する動きとなる。 【写真】「ホットスポット」目前に滑走路建設 中国の圧力にさらされる海の町 署名式は、フィリピン軍本部のあるマニラ首都圏のキャンプ・アギナルドで開かれた。フィリピン政府は「米国はインド太平洋地域の安定に中心的な役割を果たしている。協定により、さらに高度な能力や情報を得られるとともに、立場の近い国々と同様の協定を追求する道も開かれる」と歓迎した。 フィリピン側によると、オースティン氏は19日、フィリピンの南シナ海防衛の最前線にあたる西部パラワン州のパラワン島を訪問し、フィリピン軍幹部らと会談する予定だ。州内には比軍の西部司令部が置かれているほか、米軍が使用できる拠点が2カ所ある。 南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンのマルコス大統領は、国際会議などで多国間での協力を呼びかけてきた。GSOMIA締結を追い風に、対中包囲網の構築を加速させたい考えだ。
朝日新聞社