テスラの利益、市場予想上回る-通期の納車台数は若干増加へ
(ブルームバーグ): 電気自動車(EV)メーカーの米テスラが23日発表した7-9月(第3四半期)決算では、利益がウォール街の予想を上回った。同社は通期の納車台数が若干増加する見通しも明らかにし、同社製EVに対する需要の回復が浮き彫りになった。
調整後1株利益はアナリスト予想平均を上回る72セントで、4四半期連続で市場予想を下回っていた状況に歯止めがかかった。また、より手頃な価格のモデルの生産を2025年前半に開始する計画をあらためて示し、23年の生産量と比較して来年は50%の伸びが見込まれるとした。
決算発表を受けた時間外取引で株価は一時12%上昇した。
同社は発表文で、「24年の納車台数は若干の増加を見込む」とし、堅調だった7-9月期に続いて10-12月(第4四半期)も好調な納車台数を予想していることを示唆した。ただ、今年前半の納車台数鈍化を考えると、達成は容易ではなさそうだ。23年の水準を上回るか同等の水準に達するには10-12月期に大幅な販売増が必要になる。
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け電話会見で来年の成長持続を見込んでいると述べ、納車台数の「概算」を提示。「外部のマイナス要因にもかかわらず、来年の伸びは20-30%になると思う」と語った。
同社は昨年遅くに初めて納車した電動ピックアップトラック「サイバートラック」が増産などにより、初めて採算が取れたことも明らかにした。7-9月期の自動車事業の粗利益率は、規制クレジットを除いたベースで17.1%となり、前四半期の14.6%から大幅に上昇した。
今回の増益について同社は納入台数の増加に加え、排出ガス規制の順守で支援を必要としている他の自動車メーカーへの規制クレジットの販売が好調だったことを要因に挙げた。7-9月期の規制クレジット売却収入は7億3900万ドル(約1100億円)となり、同期間としては過去最高を記録した。ただ、4-6月(第2四半期)の8億9000万ドルには及ばなかった。