12月史上最高積雪の弘前市 市民生活に影響 除雪苦情殺到、列車・バスは遅れ
23日、積雪が80センチを超え12月として観測史上最高となった青森県弘前市は、バスや鉄道のダイヤが乱れ市民生活が混乱、市には除雪に関する苦情や問い合わせが殺到した。雪かきに追われた市民は「昨年が小雪だった分、雪が多く感じる」とため息をついた。市によると弘前公園のマツの木3本が、雪の重みで倒れた。 同市は23日午後、市役所で緊急の対策会議を開催。除雪車の出動基準を積雪15センチから10センチに繰り下げることを確認。堀越雪置き場の開設を1日繰り上げて24日にする方針も確認した。 市道路維持課によると、除雪に関する市民からの要望・苦情は「電話対応係を3人置いても対応しきれないほど来ている」という。同日分のみの件数は集計していない。 市福祉部には「雪で扉が開かない」「ストーブの排気口に雪が詰まっている」など、高齢者から除排雪依頼の問い合わせが正午までの時点で6件あった。 弘前公園では長さ約13メートルのマツなど3本が倒れ、一部で園路をふさぐ状態になった。ほかに2本の幹折れ、20本の枝折れが確認された。けが人はいない。 交通も乱れた。弘南バスは全線運行したが、道路状況によりダイヤに乱れが生じ、板柳線では1時間以上の遅れが出た。 JR奥羽線大館-津軽新城駅間の運行見合わせを受け、観光客や通勤・通学客らが弘前駅の窓口で運行再開の見通しや振り替え輸送の有無などを尋ねていた。 県立保健大(青森市)に通う弘前市の遠藤康介さん(同大1年)は冬休み前最後の出席日だったが登校を断念。「必修の授業があり、休みたくなかったけど仕方ない。電車が止まるほど雪が降るとは」と肩を落とした。 午後2時半ごろ、弘前市小人町で作業をしていた町田ひろ子さん(69)は「朝に2時間除雪したのにもう積もっている。疲れる」とスノーダンプを押していた。自宅前で雪かきをしていた同市末広地区の女性(70)は「昨年は雪が少なかった分、今年は多く感じる」と話した。 平川市碇ケ関も積雪が一時85センチに達し、12月としては観測史上最高となった。同日午後、断続的に雪が降る中で自宅の雪片付けをしていた髙木一男さん(75)は「今年は早くから雪が降り始めて、解けないうちにまた、どっと降った。朝も昼も雪かきしているが、ただでね(大変だ)」と話した。