高校生FWが欧州で決めた一撃に驚き「技術高い」 代表OB絶賛…絶妙コントロール弾「今後に注目したい」【見解】
【専門家の目|太田吉彰】昨夏渡欧した18歳FW道脇豊の右足ダイレクト弾に再脚光
欧州クラブへ活躍の場を移す日本人選手は近年、増加傾向にあり、今や高校年代の選手までも海外移籍をする時代に。2028年のロサンゼルス五輪を目指す、いわゆる「ロス五輪世代」のタレントで昨夏、Jリーグから欧州へ渡った18歳ストライカーFW道脇豊もその1人となった。そんな逸材FWがベルギーで絶妙なコントロールショット弾を叩き込んだプレーに再注目。元日本代表選手も「技術は本当に素晴らしいものがある」と称えたほどの一撃だった。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部) 【実際の映像】日本代表OB絶賛「技術が高い」 高校生逸材がコントロール弾を叩き込んだ瞬間 ◇ ◇ ◇ 道脇はJ2ロアッソ熊本のジュニアユース、ユースを経て、2023年にクラブ史上最年少の16歳でプロ契約を締結した逸材。16歳10か月でプロデビューを飾り、17歳でプロ初ゴール(天皇杯2回戦サガン鳥栖戦)をマーク。186センチの長身と足もとの技術を併せ持つスケールの大きなストライカーとして評価を高め、年代別代表の主力としても注目されてきたなか、23年のU-17ワールドカップで世界大会を経験した。 昨夏に渡欧し、ここまでリーグ戦3得点中。その中でひと際注目を浴びたのが、昨年11月9日に行われたベルギー2部リーグ第11節ベフェレン対フランク・ボランズ戦(4-0)でマークした得点だ。前半9分、相手のマークから離れながらスペースを作り、ボールを呼び込む。味方からのパスを右足ダイレクトで振り抜くと、コントロールされたシュートはゴール右隅へ。相手GKも見送るしかない見事な一撃に「センス抜群」との声がファンから届くなど反響を呼んだ。 ゴール前でパスを呼び込む動き、そして、相手ディフェンダーの視野から消え、ボールとゴールの位置をしっかりと視界に捉えながらフィニッシュ。18歳の高校生ながら特大なポテンシャルを感じさせた得点シーンはどこが凄かったのか、元日本代表MF太田吉彰氏は「動き出しも含めて素晴らしい」と説いたうえで、ゴールを奪うまでの一連のプレーに視線を向けた。 「シュートスペースをしっかりと作れていますし、周りを見ながら、味方の選手の位置もしっかりと把握して走っている。そういったコンビネーションもすごくできている。ボールのもらい方がゴール方向へ確実に向いてたのがすごく良かったと思います。ただボールをもらうだけではなく、常にシュートを打てる位置を考えながらプレーができている」 186センチのサイズも魅力ながら、足もとの技術にも定評がある道脇。この得点シーンではその特徴がしっかりと発揮され、太田氏も「バランスを崩しながらも、しっかりと冷静にボールをミートさせる技術が高い」と頷く。まだ18歳。心身ともに大きな伸びしろを残すだけに「技術は本当に素晴らしいものがあるので、今後に注目したいですね」と、期待を込めた。 [プロフィール] 太田吉彰(おおた・よしあき)/1983年6月11日生まれ、静岡県出身。ジュビロ磐田ユース―磐田―仙台―磐田。J1通算310試合36得点、J2通算39試合4得点。トップ下やFW、サイドハーフなど攻撃的なポジションをマルチにこなす鉄人として活躍した。2007年にはイビチャ・オシム監督が指揮する日本代表にも選出。2019年限りで現役を引退し、現在はサッカー指導者として子どもたちに自身の経験を伝える活動をしている。
FOOTBALL ZONE編集部