前島亜美と音楽 デビューアルバム「Determination」に込めた想い
■お客さんと一緒に楽しんで、共に作り上げていくような存在
――デビューアルバムのコンセプトについて教えてください。 前島:アルバム制作にあたって、まず最初に決めたのがアルバムのタイトルでした。作品全体の指標になるような気がしていたので、ここをしっかりと決めたかったんです。そこで、「デビュー」というものを一言で表すと何だろうと考えたとき、私にとっては「決意」だなと。 決意、決心、そして覚悟。その想いから「Determination」という言葉をアルバムのタイトルに提案させていただき、ディレクターさんからも「いいね!」と快諾していただき、無事に決定しました。 そこからは曲探しが始まり、ディレクターさんと相談しながら、音楽性が偏らないように、いろいろなジャンルや表現を取り入れることにしました。アルバム全体を通して、さまざまな表情や声色、表現を楽しんでいただけるように、そして何よりも“自分らしさ”を見失わないようにという想いを込めて、1曲1曲を大切に作り上げていきました。 ――表題曲「Determination」ではご自身で作詞も担当されていますが、どのような想いを込めた楽曲となっていますか? 前島:「Determination」は約4分の楽曲なのですが、その中に私自身の決意や覚悟、ここ数年間の想いをすべて詰め込み、また、聴いてくださる方々の背中を押したり、何かに挑戦する姿を応援できるような曲になればいいなと思いながら作詞をさせていただきました。 個人的に「迎えにきたんだ」というフレーズがとくに気に入っていて、約15年前、無邪気な夢を描き、音楽に向かって走り出した頃の過去の自分や、これまで一瞬でも前島亜美と人生が交わり、関わりを持ってくださったみなさんを迎えに行って、一緒に未来に進んでいこうという願いをこの一言に込めています。 ――これまでのキャリアから前島さんに対して“アイドル”のイメージが強かったのですが、この楽曲を聴いた際にそのイメージが一新されているように感じました。アーティストとして表現していきたい世界観が明確にあるのですか? 前島:アーティスト活動を始動するにあたり、方向性や立ち位置、つまりおっしゃる通り世界観というものを自分でも考えていました。まず、来年予定しているライブに関して言えば、これまで培ってきた「歌って踊る」ことが声優アーティストとしての私の強みだと思っているので、それは今後も大事にしていきたいです。一方で、音楽性を含めた表現全般においては、私にとって一番自分らしいのは、“自分の人生を表現すること”なのではないかと感じています。 私は人が生きるドラマがとても好きなので、アーティストとして何かを一方的に見せるというよりは、音楽やライブを通じてお客さんと一緒に楽しんで、共に作り上げていくような存在でありたいと思っています。お客さんが掛け声を入れてくれたり、一緒にライブ会場で時間を共有することで初めて完成するような、そういう“双方向的なアーティスト”でありたいんです。 もしみなさんにこれまでの前島亜美のイメージと違う部分が見えているなら、それは一緒に私の本当の姿を探しながら見つけていく過程でも良いのかな、なんて最近思うようになりました。 ――前島亜美の中にある“未来の可能性”を、ファンのみなさんと一緒に楽しんでいくというか。 前島:そうですね。私はアーティスト活動を長く続けていきたいという目標があるので、焦らずに、一つ一つの出来事をしっかりと記憶していきながら、みなさんと一緒に作り上げ、歩んでいくことを大事にしたいと思っています。