安房高生の手ほどきで富山中生徒がアマモの苗床作り 安房の藻場再生目指す(千葉県)
安房地域の藻場の再生を目指し、南房総市の富山中学校の2年生30人と、館山市の安房高校生物部の生徒15人が、同中学校で行った合同授業でアマモの苗床を作った。来年5~6月にかけて苗を育て、南房総市の岩井海岸に移植する予定だ。 アマモは、赤潮などの原因となるリンや窒素などを吸収して水質を浄化する他、稚魚などが外敵から身を隠す「海のゆりかご」にもなる。だが、食害や温暖化などさまざまな影響で自生のアマモが減少している。 地域の藻場を取り戻そうと、両校はそれぞれ、アマモの栽培や植え付けなどに取り組んできた。今年は学校を越えて取り組もうと、合同授業を実施。安房高の生徒が手ほどきして、富山中の生徒と一緒に作業に当たった。南房総市教育委員会が高校生の送迎にスクールバスを出すなど協力した。 10月に1回目の合同授業を行い、種子を選別。12月にヘドロを入れたポットに選別した種子を5粒ずつまいた。さらに砂をかぶせて45個の苗床をつくり、海水を満たした水槽に並べた。順調に育てば、来年春には30センチほどに成長する。 富山中の本明天陽(たかひろ)さんは「アマモがどんな姿になるか楽しみ。移植がうまくいって、海の生態系が守られるとうれしい」と成長を期待する。 安房高生物部長の川名拓さん(2年)は「活動を通して、楽しみながら環境に関心を持ってもらえたらうれしい」と話していた。