北朝鮮・金正恩総書記きょう誕生日41歳に 今年“やりたいこと”「離婚防止・養殖・リゾート…」背景に何が?
金正恩総書記のやりたいこと(2) 地方発展20×10政策
毎年20の地域に工場を1棟ずつ建て、10年で200棟建設し、地方都市発展と市民の生活レベル向上を目指す計画です。 しかし、建設しても、電気も機械も道路もトラックもありません。 倉田大誠アナウンサー: これはどういう狙いなのでしょうか? 龍谷大学 李相哲教授: 人民の生活のために「これをやりなさい」という指示は出しているんですけれども、箱物だけを作ったって何も始まりませんよね。 例えば、今この工場を作る目的は味噌とかしょうゆとかそういうものを作れということなんですが、そもそも味噌とかは大豆がないとダメですよね。作ったとしても道路を作って各地にそれを配達しなければなりません。けれども道路が整備されていない、道路があるとしてもトラックがない、トラックがあるとしてもガソリンがない。 これを作る目的はおそらく写真を撮って「やってますよ」ということを見せたいんですよね。
金正恩総書記のやりたいこと(3) 養殖業
2024年12月28日に新浦で行われた、ホタテ・昆布・ナマコ・ウニなどを作る養殖場の竣工式で金総書記は「わずか5カ月前には松林と白い砂浜しかなかった地域が、変革を遂げるという特別な成果を上げた」と称賛しています。 しかし、李教授によると普通に魚を取るよりもお金がかかり、稼働できずに失敗する可能性が大きいといいます。 龍谷大学 李相哲教授: ウニの養殖というのは、ものすごく技術とお金がかかるんですよね。それよりも海に出て魚取るようにした方がいいんですけれども、船があまりありません。最近は脱北するとして木船に鉄を付けてレーダーにすぐ見つかるようにしているんです。だから海に出さないんですよ。 しかし、養殖施設を1カ所に作ったとしても、北朝鮮の食の問題は解決できないですよね。これは間違いなく失敗すると思いますね。
金正恩総書記のやりたいこと(4) リゾート完成
以前から建設している元山市リゾート。 金総書記は「リゾートを完成させて観光で経済を立て直したい」としていますが、李教授によると、建物が完成しても設備や電気がないため稼働は難しいといいます。 龍谷大学 李相哲教授: 今年の6月にオープンすると言っているんですね。この事業は、金正恩肝いりの事業で2014年に着工しています。金正恩の叔父である張成沢がいる時代に計画して、70億ドルのお金を中国から誘致して始めた事業で、2019年にやるつもりだったのが6年延びています。本当にオープンできるか疑問です。