島原 vs 国見

　10月19日から始まった第103回全国高校サッカー選手権長崎予選は、26日からシード校が登場する3回戦がスタート。県新人戦・県高総体を制し、今大会も優勝候補の国見が、雲仙市の長崎県立百花台公園サッカー場で島原と対戦した。 【フォトギャラリー】島原 vs 国見 　3年生がすでに部活を引退しているため1、2年生で戦う島高に対して、序盤から落ち着いてボールを動かす国見。だが、高い位置から積極的にプレスを仕掛ける島高の守備は予想以上に堅固で、国見は思うようにボールを動かしてスペースを突く攻撃を展開できない。 　島高のGK出口爽太朗が再三の好セーブを見せることもあり、ボールを保持するものの得点チャンスをものにできない国見に対し、島高はタイトな守備から前線の草野秀丸・稲田壮一朗が背後を狙っていく。 　思うような試合展開に持ち込めない国見だが、21分に左サイドの攻め上がりから門崎健一のへディングで先制に成功。その後も左で原田高虎がチャンスを作ると、34分に打越太湧が追加点。苦しみながらもゴールを奪い前半を2点リードで前半を折り返す。 　後半、ハイラインで来る島高の背後を狙う国見は。62分に左CKから最後は正木翔汰が頭で押し込み3-0。島高の動きが落ちた66分には再び正木。71分にも金子光汰のドリブル突破から相手のオウンゴールを誘って5-0。さらに75分には野尻慎之助の右CKから上野壮大がヘディングを決めて6-0とし、そのまま試合を終了した。 　立ち上がり予想外に攻めあぐねた試合に対し、国見の木藤健太監督は「そんなに緊張していたわけではなかったんですが、相手がコンパクトにしてラインを上げてくる中で、1点目を取るまでは動きが重かったかなと思います。冷静に決めるべきところを決めておけば、そんなに難しいゲームではなかったんですが」とコメント。 　「相手がハイラインで来るぶん、後ろにスペースがあったんですけど、そこをそのまま使って良いのか悩んでいたのかなと。後半に入るとき、背後へのアクションに入るタイミング、誰が狙うかというところを話したんですが、それが結果になって良かった」と続けて語り、後半の修正がうまくいった点を大勝の要因に挙げた。 　終わってみれば国見が力差を示した試合だったが、1、2年生主体でコンパクトな形から好守で積極性を示した島高の健闘は目を引いた。1人1人の献身性も高く、年明けの新人戦では組み合わせ次第で面白い存在となるかもしれない。 　一方、苦戦しながらも勝ちきった国見だが、木藤監督は「選手権予選の先は長い。まずは一歩一歩」と、おごる素振りは感じさせない。2年ぶり24度目の選手権出場を目指す国見は、静かに着実に勝ち上がりを狙っているということだろう。 (文・写真＝藤原裕久)