“営業ゼロ”でも参加者の2割が「商談したい」 満足度・集客力が高いセミナーを企画するには?
会社として月に1回以上協賛型セミナーに登壇。テーマにあったスペシャリストが登壇し、会社としてのプレゼンス向上をはかる
B2Bマーケティングのセミナー施策として、他社が開催するイベントに協賛して登壇する協賛型セミナーと、自社で開催する自社セミナーがある。同社ではそれぞれどのように活用しているのか。インタビューに同席した、同社の事業企画局 広報G マネジャーの簗瀬太氏から説明があった。 ┌────────── 協賛型セミナーは、自社のプレゼンス向上、ブランディング、新規リード獲得を目的に参加しています。協賛型セミナーには、月に1回以上のペースで参加しています。 一方、自社セミナーは基本的にはハウスリストで集客しており、より密接なコミュニケーションにより商談化を目指しています(簗瀬氏) └────────── 協賛型セミナーに登壇する場合は、マーケティングチームから、社内のスペシャリストに声をかけ、登壇してもらうケースが多いが、時には事業部から「このテーマで登壇したい」と声があがることもあるという。協賛型セミナーに登壇することのメリットが事業部側にも伝わっており、登壇意欲が高い人材が多いという。
なお、協賛型セミナーのKPIは申込者数、新規リード獲得数、自社セミナーの場合は申込者数、商談化率としている。協賛型セミナーの場合は、自社のセミナーの申込数だけでなく、イベント全体の申込者数についても着目しているという。
冒頭に参加者が共感するエピソードを入れることで、関心を高める
セミナーの資料作りは、マーケティングチームがサポートすることもあれば、登壇者が一人で作成することもある。今回は、齋藤氏が一人で作成した。 ┌────────── 一般的に、1時間をベースに講演内容を設計します。1時間は、業務の合間にセミナーに参加できる最大時間ですし、集中して聞ける時間でもあるからです。講演時間が短い場合は、1時間の内容を削ぎ落として調整します。今回は、あえて60分の内容を削ぎ落とさずに、話し方で40分に調整したので、アンケートで『話が早すぎる』というフィードバックがあり、大いに反省しています(齋藤氏) └────────── セミナーの内容を考える時間、資料作成の時間はテーマによって異なるという。骨子を考えるステップが数日間でできるものもあれば、数週間かかる場合もある。今回の場合は、メイン業務の合間を縫いながら、2か月弱セミナーの準備に時間をかけたとのこと。なお、スライド1ページ1分というペースを目安に作成している。 参加者の興味をひくための工夫として、このテーマが自分に関連するテーマだと気づいてもらう話をするようにしているという。 ┌────────── たとえば、自分が事業者側だった頃に悩んでいた体験を伝えると、参加者も『自分もそうだ』と共感してもらえます。どのセミナーでも最初に共感を得るためのパートを用意して、最後に商談につなげる構成にしています。オンラインの場合は、ながら視聴の人も多いので、注目してもらいたいスライドは『大事なのでここだけは見てください』と伝えたり、少し間を開けてみたりという工夫をしています。 参加者に新しい情報を提供することも大切です。私の場合は、2023年にシンガポールで開催された「ESOMAR」というカンファレンスに登壇してからは、海外の情報を入れるように意識し始めています。海外のカンファレンスの内容など、日本には入ってこない情報がまだまだ多いことを実感したので、自分が架け橋になって伝えたいですね(齋藤氏) └──────────