「仕事の納期をいつも守れない部下」に振り回されるなら…上司がすべき「注意よりも効果的なこと」
仕事のスケジュールや締切を守れない。なぜかいつも仕事が遅れてしまう。みなさんのまわりにも、そんな人はいないだろうか。著書に『感情的にならず相手を「すぐやる人」にする34のコツ』がある、メンタルコーチの大平信孝氏によれば、ただ注意をしても改善は期待できないという。では、どうしたらよいのか? 相手を「すぐやる人」に変える、科学的な方法を教えてくれた。 【一覧】入ると“損”する「私立大学」ランキング…コスパ最悪だった意外な名門大学
注意するだけでは改善は期待できない
「仕事のスケジュールや納期、締切を守れない」「なぜか、いつも仕事が遅れてしまう」 まわりにこんな人がいて、いつも振り回されている、という方もいることでしょう。 この問題が厄介なのは、ほとんどの場合、本人に悪気があるわけでも、手を抜いているわけでもないことです。 本人も遅れたくて遅れているわけではないけれど、結果的に毎回期限を守れない……。 そんな相手に、「ちゃんと期限を守ってください」と注意をしても、改善はほぼ期待できません。本人が気づいていないところに阻害要因があることが多いからです。では、どうしたらいいのでしょうか。 こんなときは、仕事が遅れる要因を特定して、それを取り除くサポートをしましょう。具体的には、相手が抱えている仕事を細分化して、どこでつまずいているのかを特定し、対策を練るのです。 少し前の話ですが、私のクライアントさんの1人に、「いつも納期を守れない部下がいて困っている」と悩んでいる方がいました。 ご本人が何もしていないわけではなく、その部下に対して期限を守ってもらおうと、「2カ月後が締切だけど、どうなっている?」「1カ月後が期限だけど、大丈夫?」「来週が納期だけど、進捗はどう?」などと定期的に確認していました。 にもかかわらず、毎回期限を過ぎてしまうのです。
どこで仕事が止まってしまうのかを探る
そこで、部下が抱えている仕事を細分化して、「どこでつまずいているのか?」を探ることにしました。具体的には、どこで仕事が止まってしまうのかを確認してみたのです。 すると、本人のスケジューリングや仕事のペースには問題がないことがわかりました。 その後、納期を守れなかった案件を分析すると、「社外の専門家」とチームで仕事をしているときにだけ起きていることがわかったのです。さらに突き詰めていくと、社外の専門家に対して遠慮しすぎてしまい、「仕事の進捗状況の確認や催促ができない」ことが原因であることが判明しました。 そこで、期限が迫っている案件について、相手(社外の専門家)に対して確認のメールを出すよう指示することにしました。 ところが、指示を出したにもかかわらず、その部下はメールを出すことができませんでした。その部下にとって、「社外の専門家に催促する」ことは、こちらが思っている以上に心理的ハードルの高いことだったのです。 そこで、「進捗確認のメールを、今ここで一緒に書こう」と声をかけ、目の前でメールを作成してもらうことにしました。するとスムーズにメールを出すことができるようになりました。