自動運転バス、いざ出発 「レベル2」実験控え、長井市が試乗会
県内初の自動運転バス導入を目指す長井市は25日、関係者や報道陣向けに試乗会を開いた。ルートは市遊びと学びの交流施設「くるんと」を発着点に、フラワー長井線長井駅、道の駅「川のみなと長井」を巡る約3キロの公道で、交通規制せずに走行した。運転手は交差点でブレーキ操作をしたもののアクセル、ハンドルは自動。同乗した市関係者は「想像より発進と停車がスムーズ」と感想を述べていた。来月から客を乗せて実証実験を開始する。 同市が行う自動運転は全5段階あるうちの「レベル2」。ハンドル操作やアクセル、ブレーキは基本、自動だが、ドライバーが運転席で監視し、緊急時には人間の判断で運転操作を担う。バスは9人乗りで、カメラやセンサー、衛星利用測位システム(GPS)が搭載され、3Dマップなどを元にコンピューターが走行位置を認識する。一部路面にはセンサーで識別できる特殊塗料で線が引かれており、バスはその上をなぞるように走行する。
車内には四つのモニターが設置され、周囲の障害物や車間距離、運転席の映像などを常時表示する。時速20~40キロの走行はスムーズで、停留場所に近づくと自動でウインカーを出して停車。右左折時もハンドルが自動で回転した。 一方、このバスに搭載しているプログラムでは縦型の信号機の認識が、現時点でできないため、交差点でのブレーキ操作は運転手が対応した。乗車した長井市地区長連合会の上村正已会長は滑らかな発進、停車を評価しつつ「日没や積雪時でも安全に走行できるか不安はある。しっかり検証してほしい」と注文した。 実証実験は12月21日~来年1月24日の年末年始を除く水~日曜に行う。1日6便運行し、運賃無料で定員9人。市はデータ収集を重ね、2027年度にも特定の条件下での無人運転「レベル4」での本格運行を始める考え。