猟友会のヒグマ駆除拒否問題 市街地出没時の対応決まらず 国や北海道の積極関与求める声
自治体からのヒグマの駆除要請について、北海道猟友会が25日、自治体などと連携が不十分な場合、出動を拒否するよう通知する方針を決めた。最終的な判断は各支部に委ねられるが、既に駆除をやめた支部では、市街地などに出没した際の対応が決まらず、宙に浮いた状態が続いており、駆除態勢の協議が急務となっている。 「道猟友会の通知が正式に来れば、出動要請には応じないつもりだ」。道猟友会広尾支部(十勝管内広尾町)の志村国昭支部長(73)はそう訴える。 広尾支部は6月に北海道警察の呼びかけで、広尾町とともに駆除訓練を初めて行うなど連携を進めてきた。ただ、砂川支部長が猟銃の所持許可を取り消された問題を受け、出動時の不安が払拭できない状況が続いているという。 同支部は広尾町の要請を受け、農地などに出没する年間約30頭のクマを駆除しているが、志村支部長は「地域のために危険を冒し、駆除に当たるハンターに責任が押しつけられている現状には納得できない」と強調する。 新函館支部も函館市内での猟銃の使用について、砂川支部長が猟銃所持の許可が取り消された2019年から、箱わなに入ったクマを駆除する場合にとどめている。 住宅街などにヒグマが出没した際の対応策は未定のままだが、これまでに函館市と猟友会で協議はできておらず、市の担当者は「ハンターが発砲する際の判断を警察の責任で行うよう、道警側に求めていきたい」と話す。 一方、砂川支部では池上治男支部長が10月の控訴審判決で敗訴したことを受け、箱わなに入ったクマを駆除する際の発砲も行わないことを新たに決めた。今年10月以降に箱わなでの捕獲例はまだないが、捕獲時の対応は決まっていない。