同窓会をネガティブに考える自分を正当化できた理由とは?71歳のプロダクトデザイナーが、機嫌よく過ごすためのヒントを伝授!
同窓会への後ろめたさを解消。毎日を機嫌よく過ごすための考え方とは?
世間ではコロナ禍を機に人間関係の断捨離が進んだといわれていますが、皆さんはその効果を実感したことはありますか? 元々人づきあいがマメではない筆者は、普段会わない知人に対して「連絡を取っておかなきゃ」というプレッシャーから解放された気がして心が軽くなりましたが、それでもまだ人間関係についてはすっきりしない部分が残っています。 そのひとつが「同窓会」です。昨年、故郷で開催された中学校時代の同窓会に出席しなかったことを、ずっと気に病んでいました。表向きの欠席理由は「多忙で帰郷できない」でしたが、本当の理由は「出席者のリア充率が高そうで、卑屈な気持ちになってしまわないか」という懸念でした。 「会いたい」より「会いたくない」という気持ちが勝ってしまう。つまり、いい年してネガティブ思考に囚われてしまう自分に辟易した、というのが病んだ一番の原因です。ところが、御年71歳のプロダクトデザイナー・秋田道夫さんのエッセイ『60歳からの人生デザイン - 手ぶらで、笑顔で、機嫌よく過ごすための美学 -』を読んだところ、「これでよかったんだよね」と、自分を正当化することができました。 いったいどんなことが書かれていたのでしょう? そこで今回は、毎日を機嫌よく過ごすための考え方がつづられた本書から、「同窓会」と「対話」という、対人関係のあり方について触れた部分をご紹介いたします!
同窓会では「一方的に傷つけられてしまう危険性」がある
「世の中との関わりは、大切に保ち続けたい」 そんな思いは、誰にでもあります。とはいえ、そこに落とし穴があるようにも感じています。世の中との関わりを維持しようとした結果、ダメージを負ってしまうこともあるからです。 その代表例の一つが「同窓会」でしょう。 同窓会とは「どうしようかい」。案内のハガキが来ていたり、身近な友人が出席すると言っていたりする場合。 「自分も顔を出しておいたほうがいいのだろうか」 そう迷った経験がある方もいらっしゃるでしょう。 もちろん「同窓会が好き」「よく出席している」という人は、問題ありません。どんどん参加して楽しめばいいのです。 問題はそうではない方です。 「出席しよう」と即決できず、心にわだかまりがある場合。慎重に決めたほうがよいかもしれません。 なぜなら、同窓会という場にはいろんな人がやってくるからです。卒業後の同級生たちの人生も価値観も、多様です。学びや成長を途中で止めている人もいます。 たとえば30代で止まっている人、40代で止まっている人、50代で止まっている人。 「かつて同じ学校で学んだ」という共通項はあれど、その後に長い年月が経っているのですから「全員と話がぴったり合う」とはいえません。いえ、「話が合わない」というだけなら、まだ“実害”はないでしょう。 厄介なのは、コミュニケーションを深めるうちに、「自分に非がまったくないのに、一方的に傷つけられてしまう危険性」がある点です。 「世の中はみんないい人ばかり」と思いたいもの。 ですが残念ながら、どんな集団にも「マウントを取ってくる人」や「誰かのプライドを傷つけることを生きがいにしている人」が、一定の確率で存在しています。そんな人に引っかかって、プライドを傷つけられてしまっては、気分がずんと落ち込んでしまいます。