中国が9カ月連続で政策金利据え置き 人民元安への警戒も影響か
【北京=三塚聖平】中国人民銀行(中央銀行)は20日、企業への貸出金利の目安で事実上の政策金利と位置付ける「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」の1年物を3・45%のまま維持した。据え置きの判断は9カ月連続。 中国政府の景気対策で、工業生産や投資に足元で回復傾向もみられることから追加の金融緩和の必要性が低下したと判断したとみられる。利下げにより、人民元安が過度に進行することへの警戒感も影響した可能性がある。 住宅ローン金利の基準となるLPRの5年物も3・95%のままで据え置いた。中国当局が進めている不動産市場の刺激策の効果を見極めたいとみられる。 不動産不況対策として、人民銀は17日に個人が1軒目と2軒目の住宅を購入する際のローン金利の下限を全国で撤廃すると発表。何立峰(か・りつほう)副首相も国内各地で売れ残って在庫となっている住宅を地方政府に買い取らせる方針を表明している。 ただ、不動産不況には底入れの兆しが見えない。国家統計局が17日発表した不動産開発投資は1~4月の累計で前年同期比9・8%減となり、1~3月の9・5%減から、さらに減速した。新築不動産の販売面積も20・2%減だった。