メッツ、『84分の2』の奇跡で勝ち抜け! アロンソが9回に逆転3ラン、「PSの勝者総取り試合で9回以降に決勝弾」はチーム初
◇3日(日本時間4日) ワイルドカードシリーズ第3戦 ブルワーズ2―4メッツ(ブルワーズ) メッツ(第6シード)は敵地でブルワーズ(第3シード)に逆転勝ち。フィリーズとの地区シリーズに駒を進めた。「シロクマ」の愛称を持つピート・アロンソ一塁手(29)が2点を追う9回に逆転3ランを放った。 まさに奇跡だった。0―2と2点を追う9回1死一、三塁。アロンソがカウント3―1から外角139キロのチェンジアップを捉えた打球は、右翼フェンスを越える逆転3ラン。敵地アメリカンファミリーフィールドが静寂に包まれ、アロンソは一塁を踏みながらスタンドに投げキッスすると、両拳を振り下げて雄たけびを挙げた。 試合を全米中継した米スポーツ専門局ESPNによれば、「PSの勝者総取り(勝てば勝ち抜け、負ければ敗退)の試合で9回以降に決勝弾」は、アロンソがメッツ史上初。観客席では、メッツファンの男性が「YA GOTTA BELIEVE(信じろ)」との応援ボードを誇らしげに揺らした。 米野球データアナリストのサラ・ラングスさんによれば、過去にPSの勝者総取りの試合で9回以降に逆転勝利を収めたのは112チーム中7チームで、確率は6・3%。同2点差以上をひっくり返しての逆転勝ち抜けは、これまで84チーム中2チーム。確率はわずか2・4%だった。 過去の2チームは1992年リーグ優勝決定シリーズ第7戦のブレーブス(対パイレーツ、0―2の9回にフランシスコ・カブレラが逆転サヨナラ左前タイムリー)と、2012年地区シリーズ第5戦のカージナルス(対ナショナルズ、5―7の9回にピート・コズマが決勝の右前タイムリー)で、逆転ホームランでの達成は史上初だった。 メッツは9月30日のレギュラーシーズン最終ダブルヘッダー第1戦(対ブレーブス)も、リンドアが9回に逆転2ランを放ち、PS進出が決定。「ともに9回以降の逆転勝利でPS決定&PSシリーズ勝ち抜け」を果たしたのも、今回のメッツがメジャー史上初だった。
中日スポーツ