半導体・AIに3328億円 開発加速、ラピダス出資も 予算
経済産業省は2025年度予算案に、半導体や人工知能(AI)分野の産業振興に3328億円を計上した。 次世代半導体の国産化を目指すラピダス(東京)への政府機関を通じた出資に1000億円を確保したほか、先端半導体の開発を促進するため国として新たに設計拠点を整備する費用も盛り込み、国際競争力を強化する。 政府はラピダスに対し、これまで研究開発などに最大9200億円の国費投入を決めているが、同社が目指す27年の量産までには5兆円規模の巨額資金が必要とされる。今回、新たに政府機関による出資に踏み切り、一段と国の関与を強めることで民間の投資を呼び込み、量産を前にしたラピダスの財務基盤強化や製造装置調達を支援する。 出資は、経産省所管の独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する予定で、政府は支援を可能にするための関連法案を来年1月に召集する通常国会に提出する。他にも先端半導体の設計拠点の整備に318億円を計上し、スタートアップ(新興企業)などが使うことができる製造設備を備えた拠点を整備。スマートフォンなどの端末側でデータを処理するAI向けの次世代半導体の基礎研究にも295億円を充てた。