副業的な働き方「講師業」へ3つのルート しり込みする人も…特別な資格やスキルがなくても思った以上に多い経験者へのニーズ
【年金世代・予備軍「シニアの居場所」】 定年後も「働き続けたい」と思ったら、再雇用や再就職、起業などが候補になります。しかし、もう組織からは管理されたくない、自分のペースで自由に働きたい、と思う人も多いでしょう。 【図で見る】会社員から講師になるパターン そうなると、再雇用や再就職は選択から外れます。しかし、起業という選択肢にはリスクを感じます。例えば、再雇用や再就職を選びつつ、自分にあった副業的な仕事を見つけて、だんだんそちらにシフトしていくのが現実的な方法に思えます。 そんな副業的な働き方のひとつとして、「講師業」があります。「人様に教えるようなスキルは持ち合わせてはいないよ」としり込みする人も多いでしょう。しかし令和の時代は、昭和と違って講師へのニーズが変化しています。今は、「現場の業務に役立つ話を聞きたい」という要望が高いのです。 例えば、あなたが人事担当者だとして、「人生論を語ってくれる著名人」と「中小企業の人事担当として苦労しながら採用を成功させてきた話、失敗談やそこから学んだ話」のどちらを聞きたいと思いますか? 特別な資格やスキルがなくても、ビジネスマンの先輩が経験したことを聞きたい人は思った以上に多いのです。 筆者は、前職で営業マンだった頃から企画書を作るのが得意だったのですが、独立後、企画書をテーマに多くの企業から研修講師の依頼がありました。 講師を始めるには、主に3つのルートがあります。1つ目は自分自身でセミナーを企画し参加者を募るパターン。当連載でもたびたび取り上げている「ストアカ」(https://www.street-academy.com/)など手軽にセミナーを開けるサービスを利用して講師を始めるルートです。この場合、一人当たり数千円の参加費を募ることになるでしょう。 しかし、最初は収入を目的とせず、講師としてのトレーニングを積む期間も必要でしょう。まずは自分の興味のある講座を探して受けてみるのもひとつの手です。「みんなこんなふうにやっているのか」とわかるでしょう。 そんな経験を積みながら、常日頃から情報発信を続けていると、勉強会や商工会議所などの団体から「あるテーマで話をしてほしい」と声がかかることがあります。これが2つ目のパターンです。こちらは交通費のみの支給から数万円程度の収入になります。それでも場数を踏めますし、経歴にも加えられます。