松山から1時間!! 「気軽」に行ける海外 韓国・釜山のおすすめ観光スポットを記者が大紹介
ガラス張りの摩天楼がそびえ立ち、真っ白なビーチがどこまでも続く。ここは韓国最大の港町・釜山(プサン)。首都のソウルに次ぐ約340万人が暮らす大都市は、活気に満ちあふれる一大観光地でもある。 昨年11月、韓国の格安航空会社(LCC)エアプサンによる松山空港からの直行定期便が就航し、愛媛との距離は一気に近づいた。フライト時間は約1時間という短さだ。 3月中旬、松山空港利用促進協議会が主催(共催・エアプサン、韓国観光公社、釜山観光公社)したメディアツアーで釜山を初めて訪れた。3泊4日の日程でせわしなく観光地を巡ったが、1泊2日の小旅行でも十分に楽しめそう。ぜひ、週末や長期連休中の旅先の候補に考えてみてはいかがだろうか。(薬師神亮太) ◆広々、楽々 ツアー初日の3月10日午後、松山空港国際線ターミナルではフライトが近づくと一気に手続きの列ができ始めた。ほとんどは帰国する韓国人だが、その中に若い日本人の集団が。話を聞くと、研修に向かう新居浜工業高等専門学校の生徒で、韓国で2週間、英語を学ぶという。4年の沢木遥伸さん(19)は「辛いキムチを食べてみたい。高い建物も多そうなので、街を見るのも楽しみ」と笑みを浮かべていた。 出国審査を済ませ、搭乗。客室乗務員が「アンニョンハセヨ(こんにちは)」とにこやかに出迎える。座席は通路を挟んで左右に3席ずつあり、かなり広々。ゆったりとくつろいでいると「釜山到着は離陸後55分です」とのアナウンスが流れた。やはり近い。 到着した釜山金海(キメ)国際空港の気温は9度。松山よりも2度ほど低いが、体感ではあまり違いを感じなかった。リムジンバスに揺られること約30分で、中心部の繁華街・西面(ソミョン)にある「釜山ビジネスホテル」(2015年開館)に到着した。フロントは日本語も通じるので、韓国語が話せない筆者も一安心。すでに午後8時を回っていたので、晩ご飯を簡単に済ませて就寝した。 ◆カニ、カニ、カニ! 翌日、まず向かったのは東部に位置し、歴史ある機張(キジャン)市場。釜山の海の幸が堪能できる人気スポットで、新鮮なズワイガニやタラバガニを目当てに日本人観光客もよく訪れている。 市場に足を踏み入れると、とにかくカニ、カニ、カニ。各店に並んだ水槽に大量のカニが泳ぎ、まるで小さな水族館のようだ。店員からは「いらっしゃいませ!ズワイ、タラバ!」との声が。日本人への対応には慣れている様子だ。他にも、機張の名産品であるワカメなどさまざまな海産物が置かれ、活気づいていた。 ◆願い事 一つだけ 続いては、機張から少し南に下り、観光名所の海東龍宮寺(ヘドンヨングンサ)へ。海辺の崖上にある珍しい寺で、108段の階段を下りて煩悩をなくし、海水観音(高さ約10メートル)に祈ると願いごとが一つかなうとされる。海と寺が融合した絶景を見ようと、国内外の観光客が足を運ぶ。 入り口には、十二支の石像が並び、観光客が自分のえとの像の前で記念撮影をしていた。韓国で「猪」は豚となる。たくさんの子どもを産む豚は、縁起がいい動物とされている。 108段の長い階段を下りた先には、本殿に続く橋。訪れた人は、橋から岩場に設置された台座にさい銭を投げ入れたり、本殿近くにそびえる海水観音大仏に手を合わせたりして、それぞれの幸せを願っていた。
愛媛新聞社