「お母さんの心の安定のため」離乳食にすごく便利なパウダー野菜 開発責任者は、子育て中だった元臨床心理士の社長だった
◆「時短」する自分を責めないで
ーーそんな「VEGEMARI」に應和社長が込める想いを教えてください。 自分も子育てを経験して分かったのですが、世の中のお母さんは「時短すること」にすごく罪悪感を抱いています。 時間をかけてご飯を作ったりお世話をしたりすることが愛情だと信じている方もいますよね。 でも、本当に大事なのは時短をしてでも子どもと向き合うことです。 「VEGEMARI」には、「私が愛と時間と手間をかけて作った商品を提供するから、安心して時短してお子様と向き合う時間を作ってね」という気持ちを込めています。
◆味噌汁にも使えます
ーー「VEGEMARI」の魅力はどんな部分ですか 離乳食だけでなく、普段の料理、例えばハンバーグなどに簡単に混ぜて使えるので、野菜の色が嫌いなお子さんにも気づかずに食べていただけます。 むしろ野菜の出汁がしっかり出て美味しくなります。 野菜が本来持っている旨味に、大人の方でも驚くと思いますよ。 ーー離乳食以外にも使えるんですね。 もちろんです! 私が最近ハマっているのが、液味噌をお湯で溶いて「VEGEMARI」を少し加えた即席の味噌汁です。 野菜の旨味もしっかり出た美味しい味噌汁が2~3分で完成するので、時間がない朝食などにおすすめですよ。 食物繊維が豊富なごぼうパウダーを使えば腸活にも効果的です。
◆野菜パウダーを世界のスタンダードにしていきたい
ーー「VEGEMARI」を通して、應和社長が成し遂げたいことを教えてください。 パウダー野菜を世の中のスタンダードにすること、これに尽きます。 村ネットワークがある大分県豊後大野市は「大分の野菜畑」と呼ばれるくらい農業が盛んな地域なんですが、その分、農業の課題も多く見えてきます。 重労働が厳しいせいで後継者不足に悩んでいたり、物価変動の影響で利益が安定しなかったり。 でも、もしパウダー野菜がスタンダードになって国内の消費量が増えたり、海外に輸出したりできるようになれば、農家さんの需要がグンと増えます。 パウダー野菜は手作業で作るわけではないので、労働環境も改善され、雇用も増えるはずです。 さらに、「大きい工場を作ってパウダー野菜用の野菜を作る」農家さんがいたり、「無農薬にこだわったサラダ野菜を少量作る」農家さんがいたり、農家さんの選択肢も広がります。 パウダー野菜をスタンダードにすることで、農業は体力的にキツくて不安定なビジネス、というイメージを変えていきたいです。
■プロフィール
料理人として20店舗ほどの飲食店を経営していた前代表の小原秀樹氏が、地元の余剰野菜や規格外の野菜を買い取り、主に学校給食用にカット加工して販売する株式会社村ネットワークを2005年に創業。その後、野菜の栄養やおいしさをパウダー状に加工する野菜パウダーの開発を企画。出産後数カ月で家業に入った應和春香氏は、野菜パウダーの開発を託され、開発責任者を任されるように。無添加で100%野菜の素材だけで加工したパウダーが完成。應和春香氏は、2023年12月に代表取締役に就任。
取材・文/川島愛里