腰の手術ミスで重度障害、医師を在宅起訴 捜査段階で容疑否認 兵庫・赤穂市民病院
兵庫県赤穂市の赤穂市民病院で令和2年、手術時の過失で患者に重度の後遺障害を負わせたとして書類送検された執刀医の男性医師(46)=大阪市淀川区=について、神戸地検姫路支部は27日、業務上過失傷害の罪で在宅起訴した。捜査関係者によると、男性医師は県警の調べに容疑を否認していたという。 起訴状などによると、男性医師は2年1月、腰痛を訴えていた70代女性患者に対し、腰椎(ようつい)の神経圧迫をなくすため、ドリルで腰椎の一部を切除する手術を実施。その際に適切に止血せず神経を覆う硬膜を損傷させ、神経の一部も切断したとしている。女性は両足まひや排泄(はいせつ)障害など重度の後遺障害を負ったという。 また、注意義務を怠ったとして男性医師とともに書類送検された科長の医師は不起訴処分とした。地検は理由を明らかにしていない。 男性医師は元年9月~2年2月に少なくとも8件の手術を担当し、術後に2人が死亡、6人に障害が残った。病院側は外部有識者の検証に基づき8件を医療事故とし、このうち事件となった腰椎手術は過失があったとして医療過誤と認定した。男性医師は3年8月、病院を依願退職した。