【引退か復帰か】ダウンタウン「松本人志」と「島田紳助」の奇妙な共通点とは? タブーになった暴力団と芸能人の繋がりを振り返る
ダウンタウン・松本人志が週刊文春を相手に起こしていた名誉棄損訴訟は、訴えの取り下げという形で決着を見た。 【最新ショット】「あら!紳助さん」インスタに上地雄輔さんがアップした島田紳助さんの近影…「若い」「お元気そう」反響集まる これに対して、「反松本」「親松本」とで見方は両極端に分かれている。前者の主張はこうだ。 「取り下げて、謝罪をしたということは性加害を認めたに等しい。潔白なら闘うべきだ。そもそも女性をモノ扱いするような飲み会を頻繁に行っていたこと自体が許されない。こんな人物が芸能界復帰なんてありえない。引退すべきだ」 一方で、後者の主張はこうなる。 「松本の代理人弁護士が出した声明で、性加害の直接証拠はないことが確認された、と言っている。謝罪も、飲み会で不愉快な思いをした女性が“いれば”、謝罪する、と仮定の話だ。そもそも、女性からの告訴も無い。引退の必要はない」 SNSでは反松本の声も目立つ。「#松本人志をTVに出すな」という言葉がXで流行し、トレンド入りした。松本は刑事でも民事でも訴えられていないが、「こういうグレーな人物が芸能界など表舞台に出ること自体許せない」という考えを持つ人が一定数いるのは確かだろう。 「コンプライアンス」や「政治的正しさ」を求める声が強まった近年では、「あの頃は許されたんだよ」という説明では納得してもらえないケースが増えているのだ。
「松本人志」が尊敬する先輩・島田紳助さんが芸能界を引退した“グレー”な理由
松本にとって敬愛する先輩であり、関係が深かった島田紳助さんは、「昔なら許された」問題が理由で芸能界を去ることになった人物である。 両者の置かれた立場は奇妙な相似形を見せている。 2011年に暴力団幹部との交際が問題視され、紳助さんは引退を表明。暴力団幹部との交際そのものは違法ではない。結局、彼はこの件で法的な処分は一切、受けていない。 しかし、コンプライアンスの観点から所属事務所が問題視したのである。数多くのレギュラー番組を抱える人気タレントの突然の引退は、業界内外で大きな衝撃をもって受け止められた。 背景には、暴力団と芸能界との長きにわたる密接な関係性があった。その関係性は、それなりの必然性があって生まれたものだ。なぜ両者は接近したのか。それはいつまで受容され、いつから糾弾の対象となり、どうして紳助さんは引退にまで追い込まれたのか。 長年、暴力団の取材に携わってきたライター、山川光彦氏の著書『令和の山口組』をもとに見てみよう(以下は同書をもとに再構成しました。文中敬称略)。 ***