幻のマツダ「RX500」の持ち主はだれ? 行方不明だったプロトタイプが発見されて復活した陰に、広島工業界の意地がありました
マツダと広島の工業界の誇りが詰まった1台
レストアで苦労したポイントを聞くと、何といっても部品がないことであったそうだ。レース用の10Aエンジンはアルミを主体に作られていてスペシャルパーツが多い。量産のパーツを集めて加工したり、ときにはワンオフで製作したりする必要があったとのことだ。 なお、クラッチも交換が必要であったが、こちらは当時製造していた会社に掛け合ったところ新たにワンオフで新造してもらったそうだ。他にもこのようなエピソードが多いらしいのだが、これも地元のパーツサプライヤーと協力しているマツダだからこそといえる。ロータリーエンジンとマツダは、広島の工業に携わる人たちの誇りなのだろう。 こうしてRX500は復活を果たした。現在は特別なイベント時以外はヌマジ交通ミュージアムに展示されているとのことなので、気になる人は広島へ見に行ってみるのをオススメする。また、可能な限りイベントでの展示や走行もしていきたいとのこと。今回のノスタルジック2デイズでも低速ながら走行をし、そのエンジンサウンドを会場に響かせていた。
西川昇吾