【中国・ロシアの宇宙開発への勢い】弱まりつつある米国、日本のロケット打ち上げは10分の1ほど
2月15日付けウォールストリート・ジャーナル紙の2月15日付け社説‘America’s Space War Vulnerability’は、米国の宇宙戦争における脆弱性に関するマイク・ターナー米下院情報委員会委員長の脅威の警告は、無関心な米国の政府や議会の関係者を覚醒させるであろう、と指摘している。要旨は次の通り。 下院情報委員会のマイク・ターナー委員長は、新たな安全保障の脅威について警告した。米国は軍事面で、また祖国防衛の面で、脆弱に向かって夢遊病者のようにふらふら歩いている、政治指導者達はこの不安な事実を国民にきちんと説明する必要がある、と彼は述べた。 バイデン政権関係者がメディアにリークしたところによれば、その脅威は、米国の人工衛星を核爆発の標的にするロシアの計画に関することだ。衛星は、国防だけでなく、現代の米国市民の生活や商業のほぼあらゆる分野で不可欠だ。これらを破壊されれば、米国は通信不能に陥り、計り知れない損害を被ることになる。 宇宙における軍事的脅威は現実のもので、しかも増大している。ロシアと中国は宇宙兵器の開発に必死に取り組んでいる。国防総省当局者は昨年議会に対し、「衛星センサーを無能化する地上配備型レーザーをロシアは配備しており、全地球測位システム(GPS)、衛星間通信、レーダー、宇宙対応の誘導兵器などに対抗できる広範な地上配備型電子戦システムも保有している」ことを明らかにした。 同じ当局者は昨年、中国は「米国の衛星を妨害し、損傷し、破壊することを目的とする電子戦システム、指向性エネルギー兵器、直接上昇の対衛星攻撃ミサイルなど、地上配置型対宇宙兵器を既に配備している」と議会で証言した。
バイデン政権は、米国の自制と軍備管理で対処できると考えている。2022年にハリス副大統領は対衛星兵器について、米国による一方的実験禁止を発表した。 不幸にも、米国の衛星はサイズが大きく、攻撃に対して脆弱だ。米軍関係者はこのことを以前から知っており、米国の現在の戦略は分散と強化であるという。これには資金が必要だ。 戦略家たちが長年予測してきたように、宇宙は既に軍事競争の次の段階に進んでおり、つまり新たな戦闘上の有利を提供する領域になっている。これからの問題は、米国が宇宙の覇権を敵に譲るのか、それとも他の軍事戦域と同じように自らが覇権を確保するのかということだ。 宇宙戦争に関しては政治指導層の間に自己満足的な態度が見られる。米国エリート層は、新しい軍事技術についての米国の弱さを国民に説明するのを拒否している。バイデン政権のリベラルな国際主義者たちは、自分たちの政権下で増大する脅威を強調したくないので、条約で対処できると主張している。 共和党の孤立主義派は、防衛費を削減し、世界の影響力圏をロシア、中国、イランに明け渡したいと考えているようにさえ見える。こうした夢遊病者たちを目覚めさせようと努力してくれたマイク・ターナー委員長に感謝する。 * * *