『翔んで埼玉』続編が“2作目は駄作”の定説を覆す面白さ!前作超えを叶えた7つのポイントは
2019年に劇場公開されて、大ヒットを記録した『翔んで埼玉』。11月23日(木・祝)に公開される続編『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』を楽しむために、筆者の独断と偏見で選んだ7つのポイントをお伝えしたいと思います。 【写真】ギラギラしたビジュアルだけでもう面白い…片岡愛之助&藤原紀香の『翔んで埼玉』夫婦初共演シーン(ほか写真多数)
(1)滋賀・奈良・和歌山の魅力を、ディスりネタでディスカバー
前作では、麻実麗(GACKT)が率いる埼玉解放戦線と、ライバルである千葉解放戦線の戦いが、東京への通行手形の撤廃を巡って描かれました。本作は舞台を関西に移し、大阪・京都・神戸に虐げられている滋賀・奈良・和歌山のために、麗が再び戦いに身を投じるというストーリーが展開します。当然、滋賀を始めとする3県に対する(笑える)ディスやあるあるネタが投入されるのですが、それすなわち各県の個性や魅力と表裏一体ともいえるわけです。 例えば「滋賀……? あの広大な湖しかない県に、人が住むことができる陸地があったのか……」という麗のセリフはつまり、「近畿地方の水瓶」といわれる琵琶湖の圧倒的な大きさの裏付けです。その他、滋賀のナンバープレートを揶揄する「ゲジゲジ」、発酵食品の「鮒寿し」、現金に換えることができる「平和堂HOPカード」、学習船「うみのこ」など、知られざる滋賀を発見できることでしょう。
(2)杏が演じる滋賀のオスカル・桔梗魁
麻実麗が関西に向かったのは、バラバラになってしまった埼玉解放戦線メンバーの心を再び結びつけるためでした。埼玉の越谷に海を作る計画をぶち上げた麗の旅の目的は、和歌山から白浜の砂を持ち帰ること。解放戦線のメンバーと乗り込んだ船が座礁してしまい、麗は独り白浜に流れ着き、滋賀解放戦線を率いる美青年・桔梗魂(杏)と運命的な出会いを果たします。東京で麗を待つ壇ノ浦百美(二階堂ふみ)にライバル登場か……? 魔夜峰央の原作を映像化した『翔んで埼玉』と違い、この続編は完全なるオリジナルストーリーで、桔梗も原作にはないオリジナルキャラクターの1人。「滋賀のオスカル」という通り名が相応しい、杏の男装の麗人ぶり、美しい立ち姿、颯爽とした振る舞いに、ただただうっとり……! 桔梗役をきっかけに、杏に落ちる人が激増するに違いありません。滋賀県出身者という縛りを捨てたこのキャスティングは大正解です。