J-オイルミルズ 食用油脂の劣化抑制 東北大との共同研究が受賞
J-オイルミルズと東北大学大学院農学研究科は、食用油脂の酸化に関する共同研究の成果が評価され、令和6年度の日本栄養・食糧学会技術賞を受賞した。受賞タイトルは「食用油脂の劣化抑制に資する新たな技術の開発と先導的な環境負荷低減策の提案」。 J-オイルミルズは東北大学大学院農学研究科と共同研究講座「J-オイルミルズ油脂イノベーション共同研究講座」を開設し、食用油脂の劣化に関する基礎研究および技術開発を進めている。 同講座では食用油脂を廃棄する際の重要な劣化指標である「酸価」の上昇に寄与するカルボン酸の発見に成功。油脂の加熱により生じるカルボン酸が遊離脂肪酸とともに測定され、フライ油の酸価上昇に寄与することを証明した。 遊離脂肪酸以外で酸価に寄与する成分が存在することを初めて報告。この知見は酸価の上昇を抑えて油脂の使用を延長するために、水分による劣化反応を抑えることに加えて、熱による酸化を抑制することが有効であることを示唆している。 今回、食用油脂の重要な劣化指標に関する新たな事実を解明し、長持ちするフライ油の商品開発やフライ食品の品質劣化を抑える管理方法の提案が可能になるという。同社ではこうした取り組みを通じて、「国内で消費される油脂の廃棄量削減につながると考え、同講座で得た知見を根拠とした管理方法や先導的な環境負荷低減策を継続的に提案していきたい」とした。 同論文については、先月開かれた第78回「日本栄養・食糧学会大会」で受賞講演が行われた。