滋賀出身「シナリオアート」半泣きしたBIGCATでワンマン
全国ツアーが6月から大阪は7月
──そしてシナリオアートとしてはそれに次ぐ作品として9日にMini Albumリリース! 何やらこれまでと違うような……? コンセプト、聴き所をぜひ教えてください。 コウスケ:シナリオアートは優しく包み込むというか、聴く人を嫌なことや悲しいことから守るようなシェルターみたいな音楽を作ってたつもりだったんですけど、内側から少し壊れていってた気がして。そもそも自分たちが誰かを守れるほど強くなかった。ただ優しさだけで救うことはできんなって思って。だから一度そういうことも全部ぶっ壊してもう一回最初から始めたいなと。2曲目の「シニカルデトックス」で「ぶっ壊してよ」って歌っているように黒い部分がすごく出てます。活動していく中で10曲に1曲くらいできるシナリオアートの黒い面みたいなものが集まってできた作品です。今まで持ち合わせてた「優しい」だけじゃない世界を一気に出した感じです。 クミコ:東京に出ての私たちがどんどん擦り減ってたことに気がついて。こういう状況のままでは優しいことを歌っていけないんじゃないかっていうことで「いったん全部投げ捨ててしまおう」と決めた結果できたものです。印象はすごく変わると思うんですけど、このタイミングでそれが出せたのはよかった。今まで端くれに追いやられていた曲たちが集まってます。これで私たちは解毒されて黒い感情がなくなって……そうなってこれからまたやっていきたいという願望がこもってるんで。 コウスケ:そう、強くなるために。 ──「dumping swimmer」というタイトルに込めた思いは? コウスケ:dumpingは「違法投棄」。汚いものを捨てながら深海へと泳いでいくイメージですね。深海を目指す過程できれいになっていくという。深海は心の奥底、本心を自分が問うというか、ほんまに何を一番に思ってて何を一番したいんやっていうところまで潜って自分と対話して浄化していくイメージです。 ──なるほど! ええですね。そんな浄化されたシナリオアートが見られる1年ぶりの全国ツアーが6月から始まるそうですね。大阪公演は7月8日、ワンマン。 コウスケ:そうです、BIGCAT(心斎橋)です。一つのショーとしていろんな手法を使って曲たちによりもっと深くまで入りこめるような異世界を作りたい。シェルターみたいな所にいざなってあげて恍惚な気持ちいい世界を見せたい。それと同時にそういうきれいごとではない所も……自分たちは一瞬の逃避を表現したいわけじゃなくて、現実もしっかり歌いたいと思ってます。 クミコ:私たちのライブのスタイルもどんどん強くなってるというか、ファンタジーという世界は確立しながらも現実も歌っていってるので、ライブハウス内でシナリオアートだけができるような最大限の演出を考えてやりたいなと。