マエケンのド軍入りは明日発表!なぜ格安契約?その交渉と報道の裏とは
一昨年11月、マーリンズのジャン・カルロスタントンが、13年総額3億2500万ドル(約390億円)という北米プロスポーツ最高額で再契約を交わしたが、その報道を巡ってちょっとした驚きがあった。2014年11月14日、ジョン・ヘイマンといういわゆる大リーグメディアのトップ屋がスタントンの13年契約を報じたが、実は前日の夜、クリストファー・メオラというマイアミに住む人が、そのことをツィートしていたのだ。 米「デッドスピン」という、表には出ないはずの大リーグ各チームの財務諸表を公開するなど、際どいネタを扱うスポーツサイトが早速本人に電話をして事情を聞くと、ただのファンであることが判明。スポーツブロガーでもなく、マーケティングの仕事をしている一般人に、全米の名だたる記者らが完敗したのだった。 昨年12月31日、「前田健太とドジャースが大筋合意した」というニュースを最初に流したのも、そのメオラ氏である。今回は、NBCスポーツなど米大手メディアもその情報を元に報道。スタントンの件が正確だったからこそ、信頼できる、となったのではないか。 そのメオラ氏は同時に興味深い契約内容も暴露した。それによると、前田の契約は、「8年総額2400万ドル(約29億円)」だという。年平均は300万ドル(約3億6000万円)。事前の予想では、年俸は1000万ドル(約12億円)を超えると見られていただけに、格安である。この信憑性に関しては疑わしいところもあったが、1月2日、ニューヨーク・ポスト紙の敏腕記者、ジョエル・シャーマン記者が、「正確には、8年総額2500万ドル(約30億円)」とツィートし、わずかな誤差はあるものの、メオラ氏の情報がほぼ正確だったことを裏付けた。 では、なぜマエケンの年俸は低く抑えられているのか。 メオラ氏によれば、前田の契約には、規定のイニング数を超えた場合などに発生する出来高が年間1000~1200万ドル(約12億~約14億円)ほど付帯するとのこと。この数字そのものは破格だが、本来なら1000~1200万ドルが年俸で、300万ドル(約3億6000万円)が出来高だろう。なぜ、逆なのか。 メオラ氏は、「健康診断で懸念があったのでは」と推測する。よって保証額が抑えられているのではないか、というわけである。