マエケンのド軍入りは明日発表!なぜ格安契約?その交渉と報道の裏とは
このことを理解するには、岩隈久志(マリナーズ)の契約が、参考になる。 岩隈は昨年12月、ドジャースと3年総額4500万ドル(約54億円)で合意に達したと伝えられたが、ドジャースのチームドクターが身体検査で懸念を示すと、合意内容は白紙に。ドジャースは契約の見直しに動いたものの、その間にマリナーズが岩隈との再契約に成功した。 ただ、そのマリナーズとの契約はわずか1年だ。2016年の年俸は1000万ドル(約12億円)で、契約ボーナスが100万ドル(約1億2000万円)。2年のオプションがあり、岩隈が結果を残せば、最大で3年総額4750万ドル(約57億円)となるが、故障で長期離脱でもして、1年限りで退団した場合、2年分のバイアウト(100万ドルずつ)も含め、総額で1300万ドル(約16億円)が保証されているに過ぎない。ドジャースの身体検査のつまずきが、マリナーズの契約にも影響した。 岩隈の場合、正確に言えば、身体検査で問題があったのではなく、ドジャースのチームドクターは将来のリスクを考えた。おそらく前田に関しても8年契約をしようというのだから、ドジャースは故障を発見したのではなく、やはりリスクを恐れたのではないかと推測できる。 この辺りは、田中将大の遊離軟骨の存在を承知していながら、1億5500万ドル(約186億円)という巨額契約に踏み切ったヤンキースとは考え方に差があるが、ドジャースにも事情がある。一昨年12月、ドジャースはブランドン・マッカーシーと4年契約を交わしたが、昨年4月、彼は4回先発しただけで、トミー・ジョン手術を迫られた。あのとき、兆候を見逃したのか? という声が漏れた。ドジャースが身体検査に慎重になる一因が、そこに覗く。 さて、果たして、前田の契約は、本当に報じられているように8年総額2400~2500万ドル(約29億円から約30億円)なのか。