トコジラミにお腹を数百ヵ所以上刺されて大パニック…!元日本人傭兵が青ざめた…戦場で起きた「まさかの一大事」
トコジラミに苦しめられた日々
最近トコジラミが世間を騒がせている。中でも、関東地方でトコジラミが電車のシートの上にいたというニュースを見て、暗澹たる気持ちになった。あのトコジラミに苦しめられた日々が脳裏を過ったからだ。 【画像】火で炙ったナイフを背中に…元日本人傭兵が戦場で受けた「ヤバすぎる手術」 「あーー! 痒い痒い痒い!」 初めてアフガニスタンに入って2週間も過ぎた頃だろうか。私は全身を赤い発疹に覆われ、毎日狂ったように身体中掻きむしっていた。 最初は腕や足に赤い斑点がぽつぽつと出る程度だった。 (蚊に刺されたかな? ) と思ったが、蚊など比べ物にならない強烈な痒みに加え、刺される時は必ず近くを数ヵ所同時に刺された。それにそもそもキャンプは極度の乾燥地帯にある。蚊はいない。 その様子を見た仲間のムジャヒディンが、手招きして何かを指差した。 「これだよ、これ…」 キャンプで寝泊まりしていたのはマルカズと呼ばれる泥を固めて作った家だったが、彼はその中に敷かれていた濃緑色のシートをめくっていた。指の先の地面には、小さな虫が蠢いていた。それが生まれて初めて見るトコジラミだった。大きくめくると何匹もいる。 「他にもいるぞ」 と、今度はシートの上を見るよう促された。そこには黒い点がひとつ。「ゴマ?」と思った瞬間、そのゴマがぴょんと飛び上がり、視界から消えた。そっちはノミだ。言われるまで気づかなかったが、よく見るとそこら中でノミは跳ねまわっていた。彼らはそれに驚く私を見ながらケラケラ笑っていた。彼らにとっては、それがごく普通の日常の光景なのだろう。 トコジラミやノミの刺し跡は、日を追う毎に加速していった。一度どれだけ刺されているか数えようと思って足先から数えた事があるが、膝に達する前に100ヵ所を軽く越え、恐ろしくなってやめた事がある。 中でも特に酷かったのが腰回りだった。現地で身に着けていたシャルワルカミースという服のズボンは、ウエスト部分がだぶだぶに作られていて、そのウエスト部分に中通ししてある紐で絞って履く作りになっている。 そのため、腰回りの布がアコーディオンのようにだぶついているのだが、そこがトコジラミやノミにとって過ごしやすいのか。10センチくらいの幅で密集した刺し跡がぐるりと1周していて、まるで赤黒いチャンピオンベルトを巻いているかのようになっていた。そこだけで軽く数百ヵ所は刺されていただろう。