東京女子プロレス 荒井優希【後編】 「世界に羽ばたく優希ちゃんを見たい」というファンの声に応えたい、それが私の原動力
【試合前のルーティン、東京駅で必ず購入するもの】 ――試合前に必ず行なうルーティンはありますか? 荒井 新幹線で東京駅に着いたら、コンビニで水とエナジードリンクとゼリー飲料とおにぎりとチョコを必ず買います。でも絶対におにぎりは食べないんですよ。毎回後輩にあげています。 ――どうして食べないのに買うのですか? 荒井 最初の頃、「お腹が空きすぎると倒れるからおにぎりは食べなさい」と先輩に言われたので買っているんですけど......、試合前はどうしても緊張して固形物を食べられなくて。以前、食べなさすぎて1週間で6キロも痩せてしまって。 ――それは痩せすぎですね。 荒井 その時は先輩にも注意されて、試合後にご飯をごちそうになりました。ですから、いつでも食べられるようにおにぎりを持って行っています。
【プロレスラーとしてデビューし、世界が広がった】 ――レスラーとしてデビューし、変わったことはありますか? 荒井 プロレスを始めてから見ている景色というか、世界が変わりました。人としても変わった気がしています。「じゃあ、何が変わったの?」と聞かれると、具体的にすぐに答えることは難しいのですが(苦笑)。 それまでの自分はSKE48しかなかったから"SKE48がすべて"でした。でもプロレスを始めてから、SKE48では見ることができなかった世界を見ることができて、いろんな人にも出会えました。おかげで、視野が広くなりました。 たぶん、"アイドルメンバーあるある"だと思うんですけど、以前はSKE48で失敗したら、すべてが終わりだと思い込んでいました。たとえば目標が「1列目で歌いたい」だとすると、1列目に選ばれない時の落ち込みようがひどかったんです。SKE48の活動に人生すべて賭けていましたから。今思うと、周りが見えていなくて危険な状態でしたね。 でも今は"アイドル"と"レスラー"、私には2つの居場所があるんです。アイドル活動で落ち込むような出来事があっても、気持ちを切り替えてプロレスのことを考えるようにしています。だから、気持ちに余裕ができました。それに大きな夢ができました。 ――大きな夢とは何でしょうか? 荒井 プロレスラーになり、動画サイト『WRESTLE UNIVERSE』を通して海外の人たちが私の試合を観戦して、世界中の人たちから応援してもらえるんです。「アメリカに来てくれるのを待っています」とか「世界に羽ばたく優希ちゃんを見たい」と言ってくれるファンの方がいる。私はその声に応えたいですしそれが今の夢であり、原動力になっています。