若月佑美 乃木坂46で育まれた女優への道すじ
アイドルだったからこそ、いろんな活動知った
ただいま25歳の若月は、女優という仕事を心から楽しんでいるようで、インタビュー中も笑顔が絶えない。乃木坂46には17歳の頃に1期生オーディションを受けて合格、アイドルとして芸能界入りした。舞台や演技と出会ったのも、乃木坂46の活動を通してだ。 「アイドルだったからこそ、いろんな活動を知ることができました。グループの専用劇場がないぶん、『16人のプリンシパル』という公演で定期的に舞台をやる機会もありました。投票形式で、一幕はみんながオーディションを受けにきた設定でセリフを読んだりして、休憩時間にお客様に投票してもらい、その結果で役が決まるんです。30人くらいがオーディションに参加し、二幕に出ることができるのは16人。選ばれなければ落ち込んでしまうのですが、そのとき『選ばれない人を演じているんだ』と発想を変えたら、すごく心が楽になった。選ばれなかった心境をどう演じよう、お芝居って、そうやって自分のことも救えるし、誰かを楽しませることもできるんだと知って、そこから興味を持ち始めました」
自分にない感覚取り入れたい デザインで地元貢献も
若月といえば二科展7年連続入選などデザインのセンスの良さも知られているが、最近ではその特技を生かし地元に貢献している。静岡で開催されるイベントのグッズデザインや静岡中心市街地“おまち”の活性化を推進するI Loveしずおか協議会の新シンボルマークをデザイン、静岡新聞のコラム連載も今月からスタートした。 「小学生までは山や川に囲まれて、秘密基地を作ったり、まさに田舎っ子でした。それからもテレビを見ながら携帯いじっちゃうとか、雑誌を読んじゃうとか、もともと落ち着かない子だったのですが、絵を描いているときだけは、描きながら何かをするっていうことがなくて。これなら私は集中できるって、自信が持てたんです」 街を歩いていても、デザイン目線だ。 「いろんなところにデザインがあふれている街に行くと、看板ひとつとっても発見があります。私の場合、背景が黒だと文字の色はくっきりした色を選びがちなのですが、ある看板を見たら黒に薄めのパステルカラーを合わせていて、あ、意外に合うんだなー、と感じたり。自分にない感覚は、どんどん取り入れたいですね」 ものを作ること自体が、大好きだという。 「オフのときは、料理が好きなのでカレンダーに献立を書いて、カレーならココナッツミルクを使ってグリーンカレーとか、アップルパイ作ろうとか。普段の短い時間じゃできない料理を作って楽しみます。子どもの頃、平日はお母さん、土日はお父さんが食事を作ってくれたんです。私は父親が料理しているのを隣で見るのが好きで、父のレシピを見様見真似で作ることもありました」