若月佑美 乃木坂46で育まれた女優への道すじ
若月佑美が、乃木坂46にいたことを知らないファンが、一人二人と増えてきているという。今月はムロツヨシ主演「恋のヴェネチア狂騒曲」(福田雄一上演台本・演出)で新国立劇場の舞台に立ち、乃木坂46時代のボーイッシュなキャラクターとは対照的に、ピンクのフェミニンなドレスを身にまとい、婚約者シルヴィオ(賀来賢人)と恋の真っ只中にあるクラリーチェを好演している。昨年11月末をもってグループを卒業、女優として歩み始めた若月に、女優としての手応えと目指す方向性について聞いた。
明るくて女の子っぽい感じ、私は0%
「日によってお客様の笑うポイントが違うし、自分の芝居もその時限りのものなんです。きのうは笑いがこなかったのに今日はきた、なぜなんだと思い返すと、あ、きのうは動作をするときに声を出していなかったけれど、今日は声を出したから届いたんだ、と。そういう発見が毎日あります」 18世紀半ばのヴェネチアを舞台に繰り広げられる、恋と笑いにあふれた物語。イタリアの劇作家カルロ・ゴルドーニによる古典喜劇「2人の主人に仕えた召使(原題)」をベースに、福田雄一氏が上演台本と演出を手がけた。 「私、最初は役とぶつかっちゃうタイプで。セリフをしゃべることにノッキングしちゃうというか。自分ならここでこうは言わないのに、とか。いつも悩むのですが、自分の中に解答を探そうとすると無理があるので、最終的にはその人物に近い人を、テレビとか友達の中に見つけて、あ、こういう方向性で演じればいいんだなって解決したりしています」 今回のクラリーチェも、役作りには苦労したという。 「あんなに明るくて女の子っぽい感じ、私は0%なので頑張っています。演出の福田さんにダメ出しをいただいたシーンがあるんです。フロリンド(堤真一)さんとの掛け合いで、交渉する場面があるのですが、そこで急に自分に戻りすぎちゃって、『思慮深い女に見えすぎてしまう』。たぶん、台本通りに解釈して自分にそのまま持ってくると思慮深い女になってしまうのですが、クラリーチェはきっとそこまで考えていなくて」