「BRT」は普通じゃないバスだと? 連節バス率が異様に高いってマジ!?
■こんなに増えてました
日本でBRTが急速に伸び始めたのも2010年代に入ってからだ。国土交通省がBRTとしてリストアップしている2022年4月時点のデータと、以降に開業したものを合わせると、2024年10月現在のところ全国に31路線のBRTが展開している。 内訳は専用道路経由が8路線、一般道走行が23路線。これら31路線の中には、当のバス事業者では特に「BRT」とは言っていないものの、運行形態が国の条件を満たしているということで、実質的にBRTと言える路線も含まれる。地域で見ると…… 岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、福岡県、大分県 ……の18都府県でBRTが運行中だ。それなりに数が多いため、ここでは個々の路線名は割愛した。
■あのクルマが目立つよね?
ところで、BRTを観察していると、車体を2つ繋げた連節バスが使われている割合が物凄く高い気がしてくる。本当に連節バスを頻繁に見かけるため、BRT走るところに連節バスあり、と言わんばかりの目立ちようだ。 もちろんノーマルな一般路線バス車両を使ったBRTもあるのだが、もしかして、どこのBRTにも最低1台は連節バスが登録されている!?ふと疑問に思って軽くリサーチしてみることにした。 その結果、31路線のうち連節バスを使用しているのは21路線。21/31路線で68%の割合だった。ここで興味深かったのが、専用道路を経由するBRTで連節バスを使用している路線は皆無という点。 反面、一般道を走るBRTでの連節バス率は、21/23路線の91%と圧倒的な数値を叩き出した。それほど高いなら良く見かけるのも頷ける。 BRTの条件にある「輸送力」を求める際、一般的なバス車両を複数台用意して高頻度で走らせるか、定員の大きい車両を入れて一度に多くの利用者を運ぶかの2通りが選べる。 現在のところ、利用者がより多くなる街中の一般道を走るBRTでは、後者が好まれる傾向が非常に強いようで、その場合は通常のバスの約1.5倍・定員120~130名程度の連節バスが適任というわけだ。 BRTの連節バス率は100%ではなかったが、連節バスがBRTという次世代のバスシステムを象徴する牽引役を担っているのは確かだ。