【全面勝訴】「業務と自殺の因果関係認められる」自殺の熊本県警巡査の遺族の訴えを熊本地裁が認め熊本県に約6200万円支払い命じる
2017年に自殺した熊本県警の警察官の遺族が、自殺の原因は「常軌を逸する長時間労働」だったとして、熊本県に対し約7800万円の損害賠償を求めた裁判で、熊本地裁は12月4日に熊本県に対し約6200万円の支払いを命じた。業務と自殺の因果関係、また熊本県の注意義務違反を認定し、遺族の訴えを全面的に認める判決だ。 【画像】渡邊巡査の遺書
熊本地裁が熊本県に約6200万円の支払い命じる
この裁判は、2017年9月に自殺した熊本県警の渡邊崇寿巡査(当時24)の遺族が、「常軌を逸する長時間労働で渡邊巡査を自殺に追い込んだ。県警に安全配慮義務違反があった」として、熊本県に約7800万円の損害賠償を求めたもの。 12月4日の判決で熊本地裁の品川英基裁判長は、「巡査は多い時で月に180時間を超える時間外労働でうつ病を発症し、自殺に至ったもので、業務と自殺の因果関係は認められる」と指摘。 また「被告は時間外労働を削減するなどの措置を講じておらず、注意義務に違反している」などとして、熊本県に約6200万円の賠償を命じた。 原告代理人の光永亨央弁護士は「原告の請求が全面的に認められた完全勝訴。この判決文から、裁判所の(熊本)県に対する怒りがにじみ出ている」と述べた。
「きつかったね、ごめんね」「何も悪くない」
判決を受け、遺族の母・美智代さんは「遺書の中に『疲れたので休みます』と書いてあった。死ななければゆっくり休めないほど追い詰められていたことを証明できた。「きつかったねごめんね」という気持ちでいっぱい」と、裁判を終えての思いを語った。 また、兄の真道さんは「(仏前で)弟は何も悪くないと伝えてあげたい。責任感が強いまじめな弟だったので」と述べた。 判決を受けて熊本県警は、「判決文を確認し、今後の対応を検討する」とコメントしている。 (テレビ熊本)
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