世界最大規模CG技術の会議と展示会で発表 南房総出身の大学院生、安田晃大さん(千葉県)
アメリカコロラド州で開催された世界最大規模のコンピューターグラフィック(CG)技術の国際会議と展示会「SIGGRAPH(シーグラフ)」に、南房総市出身で、芝浦工業大学大学院生の安田晃大さん(22)が参加。マイクロスケール写真測量に関する研究を発表した。 シーグラフは、アメリカのコンピューター学会でCGを扱う分科会と同学会が主催。7月28日~8月1日に開催された。世界中から、約9000人の業界専門家が参加。芸術、科学、テクノロジーなどの分野における最新のCG技術の活用、研究成果について、発表したり、聴講したりして交流した。 安田さんは現在、同大学院の理工学研究科電気電子情報工学専攻1年生。 今回発表したマイクロスケールとは、人間の目では見えない微小な範囲を指す。安田さんは、ミリサイズの昆虫の標本など、小さい物体の3Dモデルのデータを、画像から起こす技術を研究している。 画像から3Dモデルを作るためには、多くの角度から撮影した画像が必要だが、小さい物体ほど、ピントが浅くなり、撮影する際にパーツ別に焦点がぼけやすい。 安田さんの研究では、対象と同じ位置に「キャリブレーションボード」と呼ばれる格子模様のボードを置いて撮影することで、必要な情報を推定し、全ての部分にピントが合っている画像を合成する。この方法で、触覚や爪など細かい部分の構造を復元する技術を一歩進めた。 発表は1枚のポスターにまとめて行った。関心を持った来場者が足を止め、質問を受けると、安田さんも英語で説明した。 安田さんは、ゲームや映像作品の世界に触れてCG研究に興味を持ち、安房高校時代にこの分野に進むことを決めた。世界的な舞台に参加し、「初めての学会で、しかも海外。良い経験になった。マイクロスケール研究を生かした分野に就職したい」と話した。