債券下落、20年入札や日銀総裁講演を警戒-5年金利は15年ぶり高水準
(ブルームバーグ): 21日の債券相場は下落。この日行われる20年国債入札に向けた売りが優勢だ。日本銀行の早期利上げ観測が根強い中、午後の植田和男総裁の講演に対する警戒感もある。新発5年債利回りは約15年ぶりの高水準を更新した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、20年債入札について「日銀の早期追加利上げや財政拡大への警戒感が応札手控え要因となり得る」と指摘。約4カ月ぶりの高利回りが需要の支えになる一方、「先週の30年債入札を皮切りとした4週連続の超長期国債入札も心理的な重し」と言う。
また鶴田氏は、政府の新たな経済対策規模の報道は「予想範囲内で、今年度の国債増発は回避される見通しだ」とする一方、所得税の基礎控除の引き上げについて「来年度予算でどの程度インパクトのある規模になるかが焦点で、財政懸念は先送りされた印象だ」と述べた。
20年債入札
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Saburo Funabiki