産後里帰りを控えた妻「夫の弁当作り置き」X投稿で炎上…本人よくてもなぜ批判? 男女平等めぐる議論に“正解”は?「Instagramならこうならなかったのでは」
■男女平等の議論めぐる“正解”は
奥田氏は炎上の背景として、「少子化対策が叫ばれる中で『子どもを産む人』に向けた政策も多く、子を持たない人との間に摩擦も」「単身世帯のセーフティネットを生み出す実効性のある政策が必要」との見方を示している。 「国が『異次元』とまで銘打った少子化対策に対して、“なぜそんなに優遇するんだ”という思い込み・偏見があるのではないかとみている。一方で、単身世帯に対するセーフティネットがまだ不十分。そのあたりの乖離が、SNS上の議論とは別のところである。以前、“保育園落ちた日本死ね”があったが、あれが保育政策に影響を与えたように、今後の動きは冷静に見ていかないといけない」
今回出ている声は、“夫の料理は妻が作る”という男女の「役割」の固定化や放置すればモラハラ夫を誘発するということへの問題提起なのか、専業主婦や子持ち様への批判なのか。 「SNS上の問題と、ジェンダーや多様性の話は分けて考えたほうがいいと思っている。私はケアの男性学ということで調査研究しているが、前者については、ネット上でもやはり思いやりを持つということだ。後者は、伝統的な男女観も含めて受け入れることが多様性受容だと思う。伝統が新しいものに100%、しかも1つの固定的な方向に変わってしまうのは行き過ぎだ」 一方、パックンは「“女性が口出すな”といったようなことは、伝統があるからといって守らなければいけないものではない。選択肢をすべて残す必要はなく、ダイバーシティの中でも淘汰すべきものはある」と投げかける。これに奥田氏は「批判をしていいし、受容してもいい。理想論かもしれないが、相手をケアし合いながらの対話をすべきだ」と訴えた。(『ABEMA Prime』より)