タンクトップ・ギャグ・客イジリNG…サバンナ八木真澄が、絶体絶命の中で見つけた「営業の神髄」
営業の神髄が見えた「NG3連発」営業
――逃げずに挑戦した結果、講演内容の幅が広がったんですね! ちなみに、もう1つはどんな営業ですか? 八木:タンクトップ・ギャグ・客イジリNGの営業です。僕の芸は、ギャグと客いじりで成立してるようなものなのに……。最終的に、この3つのNGが決定したのは講演の直前で、どうしていいかわからないまま会場へ行って、いつものようにスタートしました。でも、話しはじめてすぐに、お客さんの気持ちがスッと離れていくが分かりました。なので、「すいません」と一言謝ってから、テレビの全レギュラーがなくなった日のことを話しました。こんな感じです――。 『僕は今日、営業でここに来てるんです。何でかっていうと、僕ね、悲しいけどレギュラー全部なくなったんですよ。相方はテレビ出てるけど、僕には何もないんですよ。 現場マネージャーをまとめるチーフマネージャーという人がいるんですけど、なかなか会うこともないし、電話がかかって来ることもないんですが、その人から携帯にかかってきたんです。この人からの電話は、いいことか悪いことのどっちかです。 今でも忘れられないんですけど、渋谷の無限大ホールを出た時にチーフマネージャーから電話がかかってきて、約10年続いてた全国ネットの2時間のレギュラー番組がたった1分の電話で終わったんです。渋谷の街で、僕、立ち尽くしたんです』 そんな話をしたら、遠ざかっていたお客さんの気持ちが帰ってきて、全員の目がグーっと僕に集まったんです。その時に、大事なのはウケるとか、スベることじゃなくて、お客さんの心を揺さぶることなんだって気づきました。そして、お客さんの心を揺さぶるのは、芯を食った話なんだって。それからは、いろいろな講演で自分自身のストーリーを話すようになりました。お客さんの食いつきもいいですし、本当にやってみてよかったです。
ピンチをチャンスに変えた極真空手の教え
――1回の舞台で、お客さんの心を掴む感覚を得たんですね。 八木:そういうと聞こえはいいですけど、勉強と同じで、日々の訓練があったからだと思います。すでにベースができていたから、ピンチがチャンスになったんです。 高校時代にはじめた極真空手に「千日をもって初心とし、万日をもって極みとする」という教えがあります。3年続けてやっとスタートラインに立ち、30年続けて一人前と言える、という意味です。この教え通りに手を抜かずに、ひとつひとつの営業と向き合ってきたので、その積み重ねが形となったのでしょう。 FPに関しても同じで、勉強をはじめて3年なので、ようやくスタートラインに立ったところです。基本的な仕組みや方程式は理解できましたが、今後どこかの営業で家庭の事情や法律なんかも絡む複雑な相談をされるかもしれません。僕はどんなことからも逃げないと決めているので、それに応えないといけません。そのために、毎日勉強を続けてるんです。