アニメ『ハイキュー!!』監督にカムバックした満仲 勧が劇場版で挑んだ「試合のリアリティ」への追求
古舘春一先生による同名漫画を原作に、バレーボールに懸ける高校生たちの熱い青春ドラマを描いた人気アニメ『ハイキュー!!』。 【画像】劇場版の場面写真 その待望の映画化となる『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』が本日、2月16日より公開されたのを記念して、TVアニメシリーズでも1期~3期を担当した監督の満仲 勧さんのインタビューをお届けする。 ■自分にできることはやりきったと感じていた ――劇場版の制作にあたり、TVシリーズとの違いは意識されましたか? 満仲 そもそものところになってしまうんですが、僕はまた『ハイキュー!!』に戻ってくるとは思ってなかったんですよ。 これはアニメ4期を監督しなかった理由なのですが、同じスポーツアニメでも、『キャプテン翼』とか『黒子のバスケ』みたいに強さがインフレしていくような作品なら、シリーズを重ねても演出的に見せ方を工夫していくことはできたと思うんです。 でも、『ハイキュー!!』はバレーボールの試合をリアルにしっかりと描く作品です。その方向で自分ができることはやり尽くしたと、3期が終わった時点で感じていました。 だから、3期から4期で内容も地方大会から全国大会へとスケールアップするし、ここで監督も代わって、アニメとしての見せ方も変えていくのがいいのではないかと思ったんです。 今回は劇場版だということで、原作を再現するだけでは映画にはならない。原作のストーリーを1本の映画に再構築してまとめる作業が必要です。それなら映像的にもチャレンジできることがあるかもしれないと、あらためて監督をやることにしました。 ――劇場版で挑戦したかったこと、とは? 満仲 映像でいえば、分かりやすいし作画の負担も抑えられるので、TVシリーズはトスやスパイクのたびに寄りのカットを切り替えていく見せ方をしていました。でも、今回は大きなスクリーンで見てもらう作品ですから、少しカメラを引いて、例えばスパイクを打つ人以外もどう動いているか見せる。プレイをしている選手だけでなく、もっと全体の動きが伝わるような見せ方をしていきたいと考えました。 ――試合のリアリティをさらに追求したかったわけですね。 満仲 それはずっとやってみたかったことでした。人をたくさん動かさないといけないから、作るのは大変なんですけどね(笑)。特に最後のプレイには注目してほしいと思っています。映像的に一番やりたかったことが凝縮されています。