イーロン・マスク氏、予告なしに訪中-テスラ減収でてこ入れ目指す
(ブルームバーグ): 米電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は28日、中国を予告なしに訪問した。テスラの減収に歯止めをかけるのに寄与しそうな運転支援ソフトウエアの承認を目指している。
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マスク氏は中国の李強首相と会談。李首相は、中国上海市の共産党トップだった時期にテスラにとって現時点で世界トップの工場の設立を支援した経緯がある。
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事情に詳しい関係者によれば、マスク氏は、テスラが自動運転支援システム「FSD(フルセルフドライビング)」として売り出した製品の展開を巡り当局者と会う予定だった。この一連の機能は常時監視が必要で、自律走行とはならないが、購入価格を8000ドル(約127万円)、サブスクリプションを月額99ドルに設定し、米国で少しずつ売り上げを増やしている。
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中国からのFSD承認取得には、テスラの運転支援システムを担うカメラを巡る微妙な問題や、安全性に関する懸念が複雑に絡む可能性がある。
テスラ車は過去に、データ収集懸念から中国の軍事施設や他の政府機関への乗り入れが禁止された。米国の自動車安全当局も、FSDより低位の自動運転支援システム「オートパイロット」に関する調査を開始したばかり。無線でソフトウエアを更新した車両に絡み昨年12月以降に発生した20件の事故が理由だ。
マスク氏は先週の決算会見で、FSDは「実際には、ほぼどの市場でも修正なしでかなりうまく機能する」と述べた。同社は中国を含め規制当局の承認が得られるどの地域にも投入する計画だ。
原題:Musk Makes Surprise China Visit in Search of Tesla Revenue Boost(抜粋)