【武蔵野S】エンペラーワケアが挑む“200m”の壁 ペリエールらグリーンCC組は取り扱い注意
グリーンCCは距離変化に注意
根岸Sを勝ったエンペラーワケア、カズペトシーン、ショウナンライシンら4歳に対しペイシャエス、サヴァといった5、6歳がどこまで対抗できるか。適性を重視しつつ、確実に穴馬も仕留めよう。 前走地方【6-4-1-21】のうち、マイルCS南部杯は【2-3-0-12】勝率11.8%、複勝率29.4%。4着以内【2-2-0-6】でキタノヴィジョンは候補だ。マイルより長い距離に良績が集まるスタミナ型だが、前走はマイルでしぶとく伸びた。 レモンポップとペプチドナイルが後ろをどんどん離していく展開になり、3着争いがスタミナ勝負になったのも大きかった。東京だと切れ味で劣る印象だが、前走と同じく最後に時計を要する形にさえなれば、突っ込んでくる。 JRA重賞ではサヴァやペイシャエスの前走エルムSは【0-0-2-9】複勝率18.2%。勝ち馬ペイシャエスは小回り1700mとの相性は必ずしもよくないが、ユニコーンSの勝ち馬でもある。東京はそれ以来の出走であり、適性がハマる可能性は捨てられない。 前走OP・L【4-4-4-62】勝率5.4%、複勝率16.2%は秋開催東京のグリーンCCが【3-0-3-26】。こう書くとゴルフ場(カントリークラブ)のようで違和感がある。実際、名古屋や埼玉にグリーンカントリークラブは実在する。混同してはいけないので、グリーンチャンネルCと記す。 その着順内訳は3着以内【3-0-2-9】、4着【0-0-1-2】で5着以下【0-0-0-15】。なにはともあれ重賞挑戦にあたり、好走は条件だ。ショウナンライシン、ペリエールは狙いごろだろう。 だが、ここまで書いておいてなんだが、グリーンチャンネルCは1400m【2-0-3-19】勝率8.3%、複勝率20.8%に対して1600m【1-0-0-7】勝率・複勝率12.5%。2022年から同じマイルになり、ちょっとつながらなくなっている。好相性だと飛びつきにくくなりつつある。 1400mだったグリーンチャンネルCも入っているので強調しづらいところだが、前走1400mのOP・L経由について傾向をみる。 やはり総じて4着以内には入っておきたい。5着以下からの巻き返しはない。エニフS組のエンペラーワケアも出番はありそう。根岸Sの勝ち馬であり、東京適性は文句なし。残るは距離だろう。1400m巧者にとって200mの延長は壁だったりもする。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳