<街ぶら>大阪府立高で唯一の音楽科はどんなとこ? 夕陽丘高に潜入
7階建て校舎の最上階はガラス張りのプール
校舎には大型のエレベーターもあるが、これはピアノなどの楽器を運ぶためのものでもあるという。それで最上階の7階へ行くと、なにやら水をたたく音が響いて聞こえてきた。なんとここにはプールが備え付けられていた。
しかも天井はガラス張りの開閉式で、近くには「あべのハルカス」も見え、春までは近くにマンションが建つまで通天閣も見えるなど景色もいい。場所的にも外から見えにくいし、外が少々寒くても練習も可能なこのプールはなかなか府立高校では見かけない光景かもしれない。ちょうど水泳部が練習していたが、彼らは「いい環境なのでひたすら泳ぎます」と笑顔で答えていた。
練習環境のハンデ乗り越えインターハイ出場のホッケー部
校庭に行くと、ちょうどホッケー部が練習を行っていた。彼らはなんとインターハイ出場を果たすほどの実力を持っており、顧問は同校OBで国語を教える蔵戸晋悟教諭。 母校で後輩を指導するというのは思い入れがある分指導にも熱が入るが、押し付けることは絶対しないという。「自分たちがたてた目標をどうやって応援していけるかというのを考えてやってます。彼らは頑張ってくれてますから」 部員らは暑い中練習に打ち込む。同校は隣は大阪警察病院、ほかは住宅地に囲まれるなど街なかの学校の宿命か校庭はさほど広くないため、各クラブが交代で練習するなどしている。 しかもホッケーは試合の時は芝の上でやるため環境も違うが、部員らはもくもくと練習を続ける。しかし、こうした苦労を重ねながら部員やマネジャーらみんなが力を合わせてのインターハイ出場のうれしさは計り知れないことだろう。
サッカー部は部員自ら中学へ赴き勧誘
その隣ではサッカー部が練習していた。彼らは部員を集めるために、中学校への勧誘活動を部員自ら行っていると聞いた。 「男子生徒が少ないんで部員を集めるのが大変な中、チームを強化するのは大変。どうすればいいかと考えた時、生徒らが中学生に呼びかけようとはじめました」と語るのは顧問の望月浩平教諭。 基本的には母校を中心に呼びかけにまわり、マネジャーお手製のサッカー部の特徴をギュッとつめた勧誘のチラシを手渡している。実際にこれが効果を結び、本当に同校へ入ってきた部員もいるそうだ。 少し回っただけでも様々な特徴があった同校だが、校舎の片隅には戦前からあるという「清香会館」という建物があった。なんと、同校の歴史のすべてがここにつまっており、40年以上同校に携わる「主」もいるとか。こちらの様子は次回お伝えしたいと思う。