「こんなことになるんか」地震で生業失った漁師 漁再開も収入は半減、願う輪島港の早期復旧
続く苦境と必要な支援
輪島港では応急復旧工事でなんとか漁再開までこぎつけたものの、まだ至る所で隆起が残り、船を自由に動かすことは出来ない。荷揚げ場などの修繕が整わないため、漁獲制限は今後も例年の半分ほどとなり、漁師としての収入も半減する。 沖崎さんは輪島港が元に戻ってこそ、輪島の復興に繋がると考えている。 「輪島は第一次産業が盛んな場所。輪島の漁業が戻らないと朝市も元の姿にはならない」 いま必要なのは、まず行政による少しでも早い港の復旧工事の完了だ。収入面では保険で補填されているが、復旧後を見据えて地震の影響を考慮した計算や適用が求められる。 「輪島の活気を取り戻すには、まずは輪島港の復旧が必要だ」 ※この記事は、テレビ金沢と Yahoo!ニュースによる共同連携企画です。
■取材を終えて
今回の取材の中で、カニ漁が近づいても「今年はモチベーションがない」と沖崎さんが語ったのが特に印象的でした。11か月ぶりに本来の生業が再開、それも1年のメインであるカニ漁で再開ということで、取材前は喜びの声が聞けると思っていました。しかしその喜びの声を奪ってしまうほどの苦労、現状への不満、将来への不安などが襲う現状。一つの側面だけでは解決できない根深い問題だと感じました。 能登半島地震から1年が経ち、県外では過去の話になりつつあると感じます。ただ世間の方にはこの地震を遠いどこかで起こった話として見るのではなく、自分の身に起こったらという視点で見ていただきたいです。今後も被災地に寄り添いながら、次の防災に繋げるための視点を意識して取材を続けます。
テレビ金沢