「GT‐R」じゃない方の「スカイライン」が面白い! 日産の「FR+直列6気筒」の伝統と魅力を再発見
スカイラインGTS25t(R33)
R32 GTS-tタイプMは、とてもよくできたシャシー性能を持っていたが、2LターボのRB20は少しアンダーパワー(215ps)だった……。 それに対し、R33スカイラインGTS25tは、500cc排気量アップのRB25ターボを搭載。このRB25ターボはただ排気量が増えただけでなく、可変バルブタイミングのNVCSが備わっていたので、中低速トルクがすごく出るようになり、ドライバビリティが一気に向上!「リニアチャージコンセプト」という応答性重視のターボエンジンは圧縮比も高めで、レスポンスの良さが際立っていた。 しかしボディはR33 GT-Rほど補強が徹底されておらず、少し切れ味が鈍くなってしまったのは残念なところ……。
スカイライン25GTターボ(R34)
FRスカイラインの完成形といってもいいクルマがR34のスカイライン25GTターボだ。R33で進化したエンジンに、劇的によくなったボディを与えられ、本当に楽しいFRスポーツに仕上がっていた。操縦性もよく、コントロールの幅が広がり、スピードも速く、乗りやすい楽しいクルマだった。GT-Rの陰に隠れてしまって目立たないかもしれないが、国産FRスポーツの傑作車と呼んで間違いない1台だ。 * * * 今となってはコンディションのいい個体は限られているだろうが、可能であればいつまでも手元に置いておきたいFRのスカイライン。もしも欲しいと思っているなら早めの行動をしたほうがであることは間違いない。
藤田竜太(FUJITA Ryuta)