バレンティンが東京プールMVP。好調理由はメジャー復帰の狙い?
2重の喜びになった。WBCの東京ドームで行われた2次ラウンドプールEのMVPに打率.615、3本塁打、10打点と大爆発したオランダのウラディミール・バレンティン外野手(32、ヤクルト)が選出された。日本がイスラエルを下したことで、オランダも2勝1敗で2位通過での準決勝進出が決定。日本が勝てば準決勝が決まるため、ホテルの宴会ルームで家族や知人を呼びパーティー形式で飲み食いをしながら、全員で「日本に勝って欲しい」と応援しながらテレビ観戦をしていたという。 バレンティンは、15日のキューバ戦で、先制3ランを含む2打席連続アーチに加え、5回にもタイムリーを放ち、5打点の大暴れで、チームの2試合連続のコールド勝ちに貢献した。 試合後、ヤクルトでプレー経験のあるミューレン監督が、「実は予告ホームランだったんだ。2打席までに打つよと、試合前にココ(バレンティン)は話をしていた。“おれがいるだけで勝てる”とチームをモチベートしてくれるし、センター、レフトも守ってくれた。どんな状態でも積極的にバッティングをする。頼もしくチームにとって大きな存在なんだ」と、予告ホームランであったことを明かし、バレンティンを賞賛した。 バレンティンも「打てると思ったから冗談半分で予告していたんだけど、本当になったね。いい感触だった。序盤に点をとってピッチャーのプレッシャーを解放したかったんだ。凄く集中できていた」と満足気。 現在、出場全選手中、打率.591は2位につける。ヤクルトファンにすればシーズンまでとっておいて欲しいほどの絶好調だが、その理由を問われ、「すばらしい選手がラインナップに揃っている。私一人の力ではない。彼らのおかげなんだ」と、ボガーツ、シモンズ、グリゴリアス、スクープと、錚々たるメジャーリーガーたちに引っ張られて結果につながっている、と謙虚に説明した。 海外メディアからは、「WBCで活躍することでメジャー復帰の可能性が出てくるのでは?」と質問を受けた。バレンティンは否定することをせず、むしろ前向きに「WBCで日本で結果を出している理由を見せられた。メジャーに戻るためのドアを開きかけているのかもしれない。でも、未来のことは誰にもわからない」と、問題発言をした。 3年の複数年契約の切れたバレンティンは、昨年オフに再契約を結んだが、1年契約の300万ドル(約3億3000万円)プラス出来高。今年オフには再びフリーになる条件のため、WBCで評価をアップすることができれば、メジャー復帰できる可能性も出てくるのだ。 WBCは絶好の選手品評会と言われていて、連日、何十人ものスカウトがネット裏につめかけているが、バレンティンの爆発のモチベーションになっているのは、「母国のために」の思いに加えて、メジャー復帰の狙いも、理由としてあるのかもしれない。