明日パリ五輪決勝!ドイツに快勝の卓球女子団体は“最強”中国を倒す歴史的勝利で金メダルを獲得できるのか?
試合中に精神的な成長を遂げた張本と、団体戦に入って好調をキープしている平野の貫禄勝ちもあって東京五輪に続く決勝進出を決めた。日本時間10日22時に開始予定の決勝の相手は、五輪で男女の団体戦が実施された2008年の北京五輪以降、すべての大会で金メダルを獲得している世界ランキング1位の中国だ。 日本も2012年のロンドン、東京両五輪で0-3のストレートで敗れた。王国の連覇を阻止し、悲願の金メダルを獲得するには何が必要なのか。カギを握る第1試合のダブルスへ、松下氏は「このまま早田選手と平野選手のペアで臨むべきだ」と提言した。 「ダブルスは右利きと左利きのペアの方が非常に組みやすい。右利き同士だとどうしても動きが重なってしまうので、そこに日本が左利きの早田選手を、ポーランドとの初戦からダブルスで平野選手とのペアで起用している意図がある。もちろん早田選手の左手の状態もあるが、第1試合のダブルスを取れば残るシングルスの4試合で2つを取る、という戦略のもとで団体戦では非常に優位に立てる」 中国はシングルスで五輪連覇を達成した陳夢(30)、そして団体戦要員の王曼昱(25)のペアで間違いなく臨んでくる。右利き同士といっても非常に強いが、それでも松下氏は「日本の最強ペアで勝たなければ、勝機は見出せない」と予想した。 「確かに中国は強い。それでも、最近の国際大会を振り返ってもシングルスはともかく、ダブルスでは中国のペアに勝ったケースが少なくない。日本が左右のペアで臨む点を含めて、勝てるチャンスは十分にあると思っている」 第2試合は張本と孫穎莎(23)による、エースポジション同士の対決となる。世界ランキング1位に2年以上も君臨する孫の壁は高く険しいが、日本がダブルスを制して迎えれば、両者が置かれる精神的な状態もまったく変わってくる。 そのうえで第3試合以降のオーダーは、両陣営の駆け引きになると松下氏は言う。 「今年2月に韓国の釜山で開催された世界卓球決勝で、早田選手は陳夢選手に3-1で逆転勝ちして、通算8度目の対戦で初勝利をあげている。中国は直近を含めた対戦成績をすごく気にするので、再び陳夢選手を早田選手と対戦させたくないと考えてくる可能性が大きい。そのあたりを踏まえて第3試合以降のオーダーを中国が組んでくるなかで、日本側にも読み合いや駆け引きが求められる。そのなかでも、シングルスを通じて平野選手の調子が非常にいいので、これまで通りに3番手で起用すれば、日本チーム全体としても波に乗れるのではないか。さらに左手の不安があるといっても、早田選手が最後の第5試合にひかえていれば、かなりのプレッシャーを感じると思う」 すべてシングルスで行われた世界卓球の決勝で、日本は2-3で敗れて実に53年ぶりとなる世界一の座を逃した。その意味でも第1試合で日本がダブルスを制したときに、中国の一強時代が続く卓球界の歴史を変えるカウントダウンがはじまる。
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