中国、再生可能エネルギー利用が急拡大 2050年には88%に
中国のエネルギー供給量は2030年がピーク
これは米国に影響を及ぼす。米国は電気自動車(EV)の浸透で予想される原油の減少を相殺するのに、中国への輸出に期待することはできない。 ■中国のエネルギー供給量は2030年がピーク DNVは2030年から2050年にかけて中国のエネルギー供給は20%減少すると予測している。これはまったく予想されていなかったことだ。DNVの見立てでは、この減少は脱炭素化が飛躍的に進展し、エネルギー効率も改善、そして人口が1億人減少するためだ。2050年までに中国は世界で最も電化が進んだ国のひとつになると見込まれている。人口減少幅は今年の総人口14億3000万人のわずか7%であるため、エネルギー供給20%減にそれほど大きく貢献しない。DNVが指摘するように、「中国の家庭の暮らしぶりが向上するにもかかわらず」、エネルギー供給量が減るというのは驚きだ。 エネルギーの自給は中国にとって重要な目標だ。中国は2050年まで大量の石油と天然ガスの輸入を続けるとDNVはみている。 原子力発電は2050年までに倍増すると予測されているが、中国の電力に占める割合はわずか5%程度だ。 ■CO2排出量 西側諸国は数年前、中国の二酸化炭素(CO2)排出に懸念を示していたが、DNVの予測では中国のCO2排出量は2026年までにピークに達し、2040年には30%削減される。これも驚きだ。中国は昨年、世界のCO2の3分の1を排出したが、2050年には70%削減され、世界の排出量の5分の1に縮小する見込みだ。 この排出削減の鍵は、発電所やその他の一次エネルギーの最終利用における石炭からの脱却だ。 中国は2060年までにGHG排出量を正味ゼロにするという目標の達成に近づくだろうが、DNVの見解では製造業で脱炭素化を一層進める必要がある。
Ian Palmer