アメリカ大統領選きょう投開票 ロサンゼルスに増える「路上生活者」住宅価格高騰…現地で見えた実情
読売テレビ
5日投開票が行われるアメリカ大統領選挙。 西部・ロサンゼルスで、住宅の価格が高騰し、路上生活者が多くみられる現状を取材しました。 カリフォルニア州ロサンゼルス。ビルやマンションが立ち並び、映画の街・ハリウッドもあるアメリカ第2の都市です。 その街が抱える大きな問題が―。 黒木千晶キャスター 「皆さん、古くなったブルーシートですとか、テントの中で生活していらっしゃいます。道の上にはごみも散乱しています。ロスの中心部なんですけれども、 きらびやかな街の中とは打って変わって、かなり格差の激しい社会なんだなということを実感させられます」 全米の路上生活者の約3割が、ロサンゼルスがあるカリフォルニア州に集中しています。 その要因の一つが住宅価格の高騰です。 取材班はロサンゼルス郊外にある築50年以上のマンションを訪ねました。97平方メートルの2LDK。ひと月の家賃は…? ロサンゼルスで不動産を扱う吉田佳代さん 「こちらの物件で2950ドルになります」 黒木キャスター 「日本円だと1ドル150円だとして、月々45万円ぐらい?」 ここでは家賃の3倍の月収がないと、部屋を借りることもできないといいます。 吉田佳代さん 「割とここは安めな方だと思います。コロナの時にすごく金利が低い時がありまして、その時に皆さん一斉に借りたりとか、低い利率でローンを組んでいる。(低金利のローンを)崩したくない人がたくさんいるので、家を売りたくない人がたくさんいます。物件を買いたい人と売りたい家のバランスが取れなくなってきて、どうしても価格が上がってしまう」 生活が成り立たなくなった人々のために、無料のシェルターなどを提供する支援活動が広がっています。 ホームレス支援を行うロワン・ヴァンスリーブさん 「女性で路上生活している場合は、銃やナイフなどを持ち歩いています。27年この活動をしていますが、 路上生活をしている女性のほとんどが、性的虐待などの暴力を受けています。武器を捨てるのは酷なことなので、そこのロッカーにしまって、と言います」 シェルターの中を見せてもらうと、ベッドや棚などのほかに、冷暖房も。ここでは、こうしたシェルターが約50部屋あり、現在は45人が入居しているということです。 約2年前に仕事と家を失い、路上生活をしていたというケビン・スタンリーさんは―。 シェルターで暮らしているケビン・スタンリーさん 「7か月ほど住んでいます。ここでは自分のペットやギターも持ち込めてとてもありがたいです。これ以上のことは望みません」 ホームレス支援を行うロワン・ヴァンスリーブさん 「去年は路上生活者の数が減少しましたが、家のない人の数は増えています。路上からシェルターに入る人たちが増えただけなんです。誰もが尊敬され、尊厳を守られ、愛されるべき」 アメリカが抱える大きな問題。 人々はどちらの候補にその未来を託すのでしょうか。 ******************************** 中谷しのぶキャスター 「現地で取材を続ける黒木キャスターと中継を繋ぎます」 (取材・報告:黒木千晶キャスター) 「私がいるのがこの大統領選の結果を左右するかもしれない激戦州の一つアリゾナです。こちら現地時間5日午前1時なんですが、いよいよ5時間後に大統領選の投票が始まります。 私がいるのがこちら開票作業が行われる場所の前なんですけれども、ご覧のようにすでにこちらにはバリケードが設置されています。 というのも、2020年の選挙の際にトランプ氏がここアリゾナでの選挙に不正があったと主張しまして、このトランプ氏の支援者らが開票所の周りに詰めかけるなどした問題がありました。中には銃を持った支持者もいたということなんです。 そうしたことを受けまして、ここアリゾナでは1000万ドル、日本円にして約15億円以上の費用をかけまして、4000人以上のスタッフを配置し対策を行っています。デモが起きた際、そして発砲が起きた際などの対策を行っているということです」 中谷しのぶキャスター 「その激戦州アリゾナなんですが、現在情勢は拮抗していますよね」 黒木千晶キャスター 「そうですね。その選挙の鍵を握るかもしれないのが、ここアリゾナで大統領選と同じタイミングで行われる、人口妊娠中絶をめぐる住民投票です。 実際に有権者の方にお話を聞きましても、女性の権利ですとか、人口妊娠中絶に関心があるといった有権者の方が大半を占めていました。ハリスさんは人口妊娠中絶を禁止を掲げているトランプさんを批判していますから、そういったことが今回の大統領選の票にどう影響するのかが注目されます。 今回の選挙、現地メディアでも、どちらの候補が勝つのか最後までわからない近年稀に見る大激戦だ、と報じられています。 アメリカの未来、そして日本の未来も左右するかもしれない大統領選、まもなく投票が行われます」